開始行: *古泉+キョン 弱音 [#pafb3ffc] #BR 自信満々に言う事でもないだろうが、鋭いか鈍いかといった... 長門の感情はある程度読めるようになったが、それは偏に付... だから今日、古泉の笑顔がいつにも増して仮面じみている事... 例え俺以外の誰もそれに気づいていなかったとしても、そう... ~ 「古泉。帰り付き合え」~ 「おや、珍しいですね」~ 古泉がへらりと笑いを貼り付ける。痛々しくて見ていられな... 「いいだろ、お前に話があるんだ」~ 俺の口調は固く、恐らくは顔も強ばっているはずだ。古泉は... さて、学校を出たものの一体どこで話を切り出したものだろ... 「お前の部屋、行ってもいいか」~ 「…少々散らかっていますが、それでもよろしければ」~ 俺は頷いた。部屋が散らかっていようがそんな事はどうだっ... ~ 古泉が少々と言った部屋の散らかり具合は、俺からしてみれ... 意外ではあったものの、しかしまあ男子高校生一人暮らしな... 向かい合って床に座ると、部屋の中にどんよりと重苦しい沈... 「…うまく隠せていると思っていたんですがね」~ 苦笑を浮かべて古泉はぽつりと呟いた。その表情は今日1日... 「何かあったのか」~ なかったはずがない。今日の古泉は明らかに無理をしていた... 「あったと言えばありましたが、なかったと言えばなかった。... 相変わらず回りくどくてよく分からん。簡潔に説明しろ。~ 「では…そうですね…」~ 僕にとってはそう珍しい事ではないのですが、と前置きして... 「ちょ、待て。落ち着け」~ いくらなんでも展開が急すぎる。俺はお前に全てを委ねる為... 「いえいえ、そうではなくてですね」~ ちょっと苦笑いの古泉が、一瞬躊躇してシャツの前を肌蹴た。~ 「…昨晩、少しばかり怪我をしまして。その痛みが残っているせ... 「……」~ それを見た瞬間、マジで血の気が引いた。古泉の身体は、左... 一体どうしたんだ、なんて事は聞く必要がない。何事にも如... 「ですが、大した事はないんですよ」~ 実際怪我をしているのはこの辺だけですから、と、古泉は包... 大した事ないなんて言うが、俺なんかからしてみれば充分大... 「戦い慣れていなかった頃はもっとひどかったですよ。月に1... 「体たらくって、お前」~ そんなん当たり前だろうが。~ 能力に目覚めた頃の古泉を想像する。中1男子の平均身長は... 「…そうですよね。普通はそんな子供がまともに戦える訳があり... 「……」~ ですが、と古泉は続けた。~ 「機関の上層部はそうは思ってくれませんでした。能力者の人... それは、なんて皮肉な矛盾だろうか。~ いつしか、古泉の声は震えていた。~ 「先程僕は、怪我の痛みが…と言いましたよね」~ 「…ああ」~ 「本当は、身体の痛みなどどうでもいいんです」~ 古泉は、再び包帯の上から傷のあるだろう場所をなぞった。~ 「…ただ、こうして怪我をすると、昔の事を思い出してしまうん... 俺は何も言えなかった。俺が中1の頃なんか、国木田やら他... 古泉は、黙ったままの俺の肩を掴むとぐいと身体を引き寄せ... 「おい、古泉…」~ 何をするんだ、という俺の声は、今にも泣き出しそうに顔を... 「だから、こんな時は酷く怖くなるんです…僕、生きてますよね... 「…こいず、み…」~ いきなり抱き寄せるなとか顔が近いとか、言いたい事は山ほ... …だから、そんな顔をするな。~ 「ああ、生きてるさ。ちゃんとここにいる。俺が保証する」~ 答えてやると、古泉はその手を俺の背中に回し、頭を落とす... 「…っ、く」~ しゃくりあげる声まで聞こえてくるようになった。~ 幻覚だと、幻聴だと思いたかった。でも震える肩も声も本物... 「…夢じゃ、ないよな…?本当に生きてるんだよな…?」~ 震えながらより一層しがみついて来る古泉は、すでに敬語さ... ~ 俺はしゃくりあげる古泉を抱きしめたまま、耳元で何度も繰... 古泉が俺の声で、俺の体温で、確かに生きているって事を感... ~ ただ、それだけを願って。~ 終了行: *古泉+キョン 弱音 [#pafb3ffc] #BR 自信満々に言う事でもないだろうが、鋭いか鈍いかといった... 長門の感情はある程度読めるようになったが、それは偏に付... だから今日、古泉の笑顔がいつにも増して仮面じみている事... 例え俺以外の誰もそれに気づいていなかったとしても、そう... ~ 「古泉。帰り付き合え」~ 「おや、珍しいですね」~ 古泉がへらりと笑いを貼り付ける。痛々しくて見ていられな... 「いいだろ、お前に話があるんだ」~ 俺の口調は固く、恐らくは顔も強ばっているはずだ。古泉は... さて、学校を出たものの一体どこで話を切り出したものだろ... 「お前の部屋、行ってもいいか」~ 「…少々散らかっていますが、それでもよろしければ」~ 俺は頷いた。部屋が散らかっていようがそんな事はどうだっ... ~ 古泉が少々と言った部屋の散らかり具合は、俺からしてみれ... 意外ではあったものの、しかしまあ男子高校生一人暮らしな... 向かい合って床に座ると、部屋の中にどんよりと重苦しい沈... 「…うまく隠せていると思っていたんですがね」~ 苦笑を浮かべて古泉はぽつりと呟いた。その表情は今日1日... 「何かあったのか」~ なかったはずがない。今日の古泉は明らかに無理をしていた... 「あったと言えばありましたが、なかったと言えばなかった。... 相変わらず回りくどくてよく分からん。簡潔に説明しろ。~ 「では…そうですね…」~ 僕にとってはそう珍しい事ではないのですが、と前置きして... 「ちょ、待て。落ち着け」~ いくらなんでも展開が急すぎる。俺はお前に全てを委ねる為... 「いえいえ、そうではなくてですね」~ ちょっと苦笑いの古泉が、一瞬躊躇してシャツの前を肌蹴た。~ 「…昨晩、少しばかり怪我をしまして。その痛みが残っているせ... 「……」~ それを見た瞬間、マジで血の気が引いた。古泉の身体は、左... 一体どうしたんだ、なんて事は聞く必要がない。何事にも如... 「ですが、大した事はないんですよ」~ 実際怪我をしているのはこの辺だけですから、と、古泉は包... 大した事ないなんて言うが、俺なんかからしてみれば充分大... 「戦い慣れていなかった頃はもっとひどかったですよ。月に1... 「体たらくって、お前」~ そんなん当たり前だろうが。~ 能力に目覚めた頃の古泉を想像する。中1男子の平均身長は... 「…そうですよね。普通はそんな子供がまともに戦える訳があり... 「……」~ ですが、と古泉は続けた。~ 「機関の上層部はそうは思ってくれませんでした。能力者の人... それは、なんて皮肉な矛盾だろうか。~ いつしか、古泉の声は震えていた。~ 「先程僕は、怪我の痛みが…と言いましたよね」~ 「…ああ」~ 「本当は、身体の痛みなどどうでもいいんです」~ 古泉は、再び包帯の上から傷のあるだろう場所をなぞった。~ 「…ただ、こうして怪我をすると、昔の事を思い出してしまうん... 俺は何も言えなかった。俺が中1の頃なんか、国木田やら他... 古泉は、黙ったままの俺の肩を掴むとぐいと身体を引き寄せ... 「おい、古泉…」~ 何をするんだ、という俺の声は、今にも泣き出しそうに顔を... 「だから、こんな時は酷く怖くなるんです…僕、生きてますよね... 「…こいず、み…」~ いきなり抱き寄せるなとか顔が近いとか、言いたい事は山ほ... …だから、そんな顔をするな。~ 「ああ、生きてるさ。ちゃんとここにいる。俺が保証する」~ 答えてやると、古泉はその手を俺の背中に回し、頭を落とす... 「…っ、く」~ しゃくりあげる声まで聞こえてくるようになった。~ 幻覚だと、幻聴だと思いたかった。でも震える肩も声も本物... 「…夢じゃ、ないよな…?本当に生きてるんだよな…?」~ 震えながらより一層しがみついて来る古泉は、すでに敬語さ... ~ 俺はしゃくりあげる古泉を抱きしめたまま、耳元で何度も繰... 古泉が俺の声で、俺の体温で、確かに生きているって事を感... ~ ただ、それだけを願って。~ ページ名: