契約愛人13(会×古)
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●第6章-1~
&size(10){(古泉モノローグ)};~
~
アパートのドアを開く。今日も部屋の中からはクリームの香...
キッチンのテーブルでは、エプロン姿の会長が頬杖をつきな...
「なんだ今日は早いな」~
「……ただいまです。えっ、早いでしょうか?」~
時計を見る。普段より一時間ほど早いか……。~
「帰るなら電話をしろと言ってるだろうが。全く。今日はグラ...
会長は何故か小さく怒りだし、椅子から立ち上がると、シン...
「すみません……うっかりしていました」~
きっと僕が帰る時間に合わせて出来上がるようにしたかった...
「いや別にいいんだが。あと十五分は待ちまいだぞ」~
レンジの中の皿に、緑の葉っぱを乗せながら会長が答える。~
「了解しました」~
僕は頷くと、隣の部屋に鞄をおろし上着を脱いでからまたキ...
漸くレンジの蓋をしめた会長の背中に僕は話しかけた。~
「今日、学校に多丸さんが来ていたらしいですね」~
「ん……ああ、まあな」~
ダイヤルでタイマーをセットしながら会長が答える。~
「検査をされたとか……」~
「ああ、お前を疑うくらいならまず俺からすれば済むことだろ...
ピッ、と電子音が響き、レンジの内側に灯りが点った。会長...
「多丸さんが会長のこと褒めてました」~
「はぁ? なんでだよ」~
褒めていたんじゃなかったっけ? ……いや、違う。あれは褒...
サニーレタスをちぎり、サラダを作りはじめる会長の側に僕...
「変わったって言ってました」~
僕の声を無関心そうに聞きながら、会長は出来上がっていた...
「……あいつに褒められても嬉しくもなんともないね」~
「でも……」~
今の会長に裕さんは好意を持ってくれたからこそ、僕に1日...
だけどそれを告げようとして、口が止まった。~
……あれ? その休暇を会長に告げるのはどうなんだろう。~
つい、機関の人に、それも裕さんに会長が認めてもらえたよ...
「でも?」~
会長の視線が僕に向かった。~
「あ……いえ、その……」~
もごもごと口を動かしながら言葉を捜す。昨日されたばかり...
「え、と……会長はクリスマスイブは何か予定があるんですか?」~
頭に浮かんでいた単語を、なるべく穏便にやり過ごせるよう...
会長は出来上がったサラダをテーブルに運びながら、眉を寄...
「お前はまたあの下らん集団と、企みごとをしてるって言わな...
「そうです。ただ、あなたはどうされるのかなと気になりまし...
「まだ日があるし、特には決まってないが……」~
何を言ってるんだ?と尋ねてくる鋭い眼光が僕を見つめた。...
会長は小さく鼻で息をつくと、スープの火をとめた。~
それから立ち尽くしている僕をもう一度見つめる。~
「つまりあいつ……あの多丸ってやつに何か報告を受けたわけだ...
「……え、ええ」~
よくよく思えば、会長にとってみれば失礼な話であっただろ...
「……すみません……」~
僕は肩を落とした。~
自分がとても愚かに思えた。自由に生きていた彼を、その容...
なんでこんなことに気づかなかったんだろう。浮かれていた...
申し訳なくて息を潜めて佇む僕を、会長はやれやれと見つめ...
突然だったから少し驚いたが、触れるだけのキスはすぐに遠...
「ばーか、別に怒っちゃいねーよ。それより俺も昨日は悪かっ...
「あっ……いえ……」~
思い出したら頬が染まった。肩に残った会長の手が妙に暖か...
「会長?」~
耳元に低音が響きだす。昨日の夜と同じ切なげな音色で。~
「あの多丸ってやつに頼んだんだ。お前を取り上げないでくれ...
「……多丸さんに?」~
「あの店はもう無い。だから、古泉を解放しろ、って言われる...
「……会長」~
言葉が胸にじわりと広がっていく。~
その結果が、多丸さんのあの態度ということか……。思い起こ...
「好きだ……」~
言葉よりも伝わる感情がある。交わろうと伸びてくる舌に僕...
彼の心に応えられるわけじゃない。でも僕にできる精一杯で...
特に今日は……。~
多丸さんに見直させた彼に何かしてあげたいと思っていた。...
だけど会長は意地悪なのだ。僕がやっと応じれば、いつもそ...
「……ぅんっ……」~
舌を絡めあうだけの口付けが、だんだん激しくなっていく。...
僕は会長の口付けにあっという間に翻弄されて、半分パニッ...
「んっ……はぁ……ぅ」~
寄りかかってくる会長の体重を支えきれなくて背中を冷蔵庫...
ずり下がる体を支えようとしてくれたのか腰に会長の腕がま...
「えっ……会長……やだっ」~
「変な想像するな。……キスだけだ」~
会長は僕の腕を自分の肩にまわすように言って、それから被...
この体勢は少しやばい。行為がこれ以上に及ぶのではないか...
湿った熱い舌が口の中を這いまわっていく。心地悪さに背中...
「ぅん……」~
「……上手くなったな」~
唇から頬に滑っていく舌を感じた後に降ってきた、からかう...
「上手くって……キスがですか?」~
「ああ。これだけなら怖くないんだろう?」~
「……怖いです……よ」~
僕はじろりと会長を睨んだ。彼がくれる刺激はいつも、僕の...
濃厚なキスの繰り返しに僕の体は芯を抜かれたみたいに力が...
「何が、……怖い?」~
薄く微笑し、会長が喉を舐め上げる。僕は息を吸って、会長...
「……色々とです」~
「ふぅん」~
再び唇に会長が戻ってきた。くちゃくちゃと唾液が入り混じ...
その卑猥な音色にまた体がじんと熱くなる。~
会長がまた笑った。~
「お前の体は結構いやらしいんだよなぁ。キスだけでこんなに...
「……いやらしいって……」~
「ここだって、もう熱くなってるだろ……ほら」~
いきなりズボンの上から触れられ、僕は絶句して起き上がり...
「やっ! 会長っ」~
「わかったわかった」~
ニヤニヤ笑いながら会長はすぐに手を離す。でもその指の形...
慰めるように鼻筋に触れるキスを会長がしてくれた時、ピー...
「ん、出来た」~
「え?」~
それがグラタン皿を放ったオーブンレンジの音だと気づくの...
欠片も名残を惜しまず離れていく会長。手馴れたしぐさでミ...
「邪魔だ、古泉。あっつあつのグラタンを顔にかけられたくな...
「……えっ!」~
慌ててテーブルから飛び上がる。が、立ちきれずに座り込ん...
……え、……だって。……その。~
体に力が入れきれない。会長に握られたそこがまだ疼くくら...
「そこも邪魔だ、古泉」~
会長は僕を蹴飛ばす勢いで近づいてくる。情けない顔になっ...
「……続きは早くても食事の後だ、収まりがつかんのならトイレ...
「えっ……」~
「全く。昨日俺がイかしてやったのに、すぐにおっ勃てるんだ...
「!!」~
なんて言われようだ。訴えたい気持ちは強かったけれど、確...
「どうしてもというなら、そこでオナニーしてくれてもいいぞ...
「……」~
僕はなんとか立ち上がると、椅子に腰掛けた。~
非常に居心地が悪いが仕方がない。こんなものそのうち収ま...
複雑な僕の表情を見ながら、会長は心底面白そうにくっくっ...
これは何かの罰ゲームかという気分にもなる。~
「あとでゆっくり全身を撫で回してやるから安心しろ」~
グラタン皿を僕の前において、会長が囁いた。僕は眉を下げ...
「……いやらしいことを言わないでください」~
嘆息しながらも、彼の言葉に体がぞくりと反応していた。~
言っておくけれど完全に屹立したわけではない。今まで彼に...
そんな状態でもグラタンは大変美味しかった。~
日増しに料理上手になり、家庭的になっていく会長。~
それが僕の知っている彼だ。~
毎晩のように夜遊びをし、奔放な性の関係を好み、僕の想像...
機関の人間としての僕、SOS団員としての僕、その次にプ...
彼がどうしても僕を欲しいと望んでも、与えられるのはその...
だけど……。~
「そんなもの欲しそうな目で俺を見るな、古泉」~
パンをちぎる手で肘をつき、あきれ顔で会長が呟く。~
「見てません!」~
「……そんなにあせらなくても、あとでゆっくりしてやるから」~
「結構ですっ」~
……絶対、クリスマスの話なんて教えてあげるものか、とその...
~
[[ →→つづき(契約愛人14)>http://haruhi.kazeki.net/?%E5...
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●第6章-1~
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アパートのドアを開く。今日も部屋の中からはクリームの香...
キッチンのテーブルでは、エプロン姿の会長が頬杖をつきな...
「なんだ今日は早いな」~
「……ただいまです。えっ、早いでしょうか?」~
時計を見る。普段より一時間ほど早いか……。~
「帰るなら電話をしろと言ってるだろうが。全く。今日はグラ...
会長は何故か小さく怒りだし、椅子から立ち上がると、シン...
「すみません……うっかりしていました」~
きっと僕が帰る時間に合わせて出来上がるようにしたかった...
「いや別にいいんだが。あと十五分は待ちまいだぞ」~
レンジの中の皿に、緑の葉っぱを乗せながら会長が答える。~
「了解しました」~
僕は頷くと、隣の部屋に鞄をおろし上着を脱いでからまたキ...
漸くレンジの蓋をしめた会長の背中に僕は話しかけた。~
「今日、学校に多丸さんが来ていたらしいですね」~
「ん……ああ、まあな」~
ダイヤルでタイマーをセットしながら会長が答える。~
「検査をされたとか……」~
「ああ、お前を疑うくらいならまず俺からすれば済むことだろ...
ピッ、と電子音が響き、レンジの内側に灯りが点った。会長...
「多丸さんが会長のこと褒めてました」~
「はぁ? なんでだよ」~
褒めていたんじゃなかったっけ? ……いや、違う。あれは褒...
サニーレタスをちぎり、サラダを作りはじめる会長の側に僕...
「変わったって言ってました」~
僕の声を無関心そうに聞きながら、会長は出来上がっていた...
「……あいつに褒められても嬉しくもなんともないね」~
「でも……」~
今の会長に裕さんは好意を持ってくれたからこそ、僕に1日...
だけどそれを告げようとして、口が止まった。~
……あれ? その休暇を会長に告げるのはどうなんだろう。~
つい、機関の人に、それも裕さんに会長が認めてもらえたよ...
「でも?」~
会長の視線が僕に向かった。~
「あ……いえ、その……」~
もごもごと口を動かしながら言葉を捜す。昨日されたばかり...
「え、と……会長はクリスマスイブは何か予定があるんですか?」~
頭に浮かんでいた単語を、なるべく穏便にやり過ごせるよう...
会長は出来上がったサラダをテーブルに運びながら、眉を寄...
「お前はまたあの下らん集団と、企みごとをしてるって言わな...
「そうです。ただ、あなたはどうされるのかなと気になりまし...
「まだ日があるし、特には決まってないが……」~
何を言ってるんだ?と尋ねてくる鋭い眼光が僕を見つめた。...
会長は小さく鼻で息をつくと、スープの火をとめた。~
それから立ち尽くしている僕をもう一度見つめる。~
「つまりあいつ……あの多丸ってやつに何か報告を受けたわけだ...
「……え、ええ」~
よくよく思えば、会長にとってみれば失礼な話であっただろ...
「……すみません……」~
僕は肩を落とした。~
自分がとても愚かに思えた。自由に生きていた彼を、その容...
なんでこんなことに気づかなかったんだろう。浮かれていた...
申し訳なくて息を潜めて佇む僕を、会長はやれやれと見つめ...
突然だったから少し驚いたが、触れるだけのキスはすぐに遠...
「ばーか、別に怒っちゃいねーよ。それより俺も昨日は悪かっ...
「あっ……いえ……」~
思い出したら頬が染まった。肩に残った会長の手が妙に暖か...
「会長?」~
耳元に低音が響きだす。昨日の夜と同じ切なげな音色で。~
「あの多丸ってやつに頼んだんだ。お前を取り上げないでくれ...
「……多丸さんに?」~
「あの店はもう無い。だから、古泉を解放しろ、って言われる...
「……会長」~
言葉が胸にじわりと広がっていく。~
その結果が、多丸さんのあの態度ということか……。思い起こ...
「好きだ……」~
言葉よりも伝わる感情がある。交わろうと伸びてくる舌に僕...
彼の心に応えられるわけじゃない。でも僕にできる精一杯で...
特に今日は……。~
多丸さんに見直させた彼に何かしてあげたいと思っていた。...
だけど会長は意地悪なのだ。僕がやっと応じれば、いつもそ...
「……ぅんっ……」~
舌を絡めあうだけの口付けが、だんだん激しくなっていく。...
僕は会長の口付けにあっという間に翻弄されて、半分パニッ...
「んっ……はぁ……ぅ」~
寄りかかってくる会長の体重を支えきれなくて背中を冷蔵庫...
ずり下がる体を支えようとしてくれたのか腰に会長の腕がま...
「えっ……会長……やだっ」~
「変な想像するな。……キスだけだ」~
会長は僕の腕を自分の肩にまわすように言って、それから被...
この体勢は少しやばい。行為がこれ以上に及ぶのではないか...
湿った熱い舌が口の中を這いまわっていく。心地悪さに背中...
「ぅん……」~
「……上手くなったな」~
唇から頬に滑っていく舌を感じた後に降ってきた、からかう...
「上手くって……キスがですか?」~
「ああ。これだけなら怖くないんだろう?」~
「……怖いです……よ」~
僕はじろりと会長を睨んだ。彼がくれる刺激はいつも、僕の...
濃厚なキスの繰り返しに僕の体は芯を抜かれたみたいに力が...
「何が、……怖い?」~
薄く微笑し、会長が喉を舐め上げる。僕は息を吸って、会長...
「……色々とです」~
「ふぅん」~
再び唇に会長が戻ってきた。くちゃくちゃと唾液が入り混じ...
その卑猥な音色にまた体がじんと熱くなる。~
会長がまた笑った。~
「お前の体は結構いやらしいんだよなぁ。キスだけでこんなに...
「……いやらしいって……」~
「ここだって、もう熱くなってるだろ……ほら」~
いきなりズボンの上から触れられ、僕は絶句して起き上がり...
「やっ! 会長っ」~
「わかったわかった」~
ニヤニヤ笑いながら会長はすぐに手を離す。でもその指の形...
慰めるように鼻筋に触れるキスを会長がしてくれた時、ピー...
「ん、出来た」~
「え?」~
それがグラタン皿を放ったオーブンレンジの音だと気づくの...
欠片も名残を惜しまず離れていく会長。手馴れたしぐさでミ...
「邪魔だ、古泉。あっつあつのグラタンを顔にかけられたくな...
「……えっ!」~
慌ててテーブルから飛び上がる。が、立ちきれずに座り込ん...
……え、……だって。……その。~
体に力が入れきれない。会長に握られたそこがまだ疼くくら...
「そこも邪魔だ、古泉」~
会長は僕を蹴飛ばす勢いで近づいてくる。情けない顔になっ...
「……続きは早くても食事の後だ、収まりがつかんのならトイレ...
「えっ……」~
「全く。昨日俺がイかしてやったのに、すぐにおっ勃てるんだ...
「!!」~
なんて言われようだ。訴えたい気持ちは強かったけれど、確...
「どうしてもというなら、そこでオナニーしてくれてもいいぞ...
「……」~
僕はなんとか立ち上がると、椅子に腰掛けた。~
非常に居心地が悪いが仕方がない。こんなものそのうち収ま...
複雑な僕の表情を見ながら、会長は心底面白そうにくっくっ...
これは何かの罰ゲームかという気分にもなる。~
「あとでゆっくり全身を撫で回してやるから安心しろ」~
グラタン皿を僕の前において、会長が囁いた。僕は眉を下げ...
「……いやらしいことを言わないでください」~
嘆息しながらも、彼の言葉に体がぞくりと反応していた。~
言っておくけれど完全に屹立したわけではない。今まで彼に...
そんな状態でもグラタンは大変美味しかった。~
日増しに料理上手になり、家庭的になっていく会長。~
それが僕の知っている彼だ。~
毎晩のように夜遊びをし、奔放な性の関係を好み、僕の想像...
機関の人間としての僕、SOS団員としての僕、その次にプ...
彼がどうしても僕を欲しいと望んでも、与えられるのはその...
だけど……。~
「そんなもの欲しそうな目で俺を見るな、古泉」~
パンをちぎる手で肘をつき、あきれ顔で会長が呟く。~
「見てません!」~
「……そんなにあせらなくても、あとでゆっくりしてやるから」~
「結構ですっ」~
……絶対、クリスマスの話なんて教えてあげるものか、とその...
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