契約愛人(会→古(?)キョン)2
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*契約愛人(会→古(?)キョン)2~ [#w4bae0c0]
~
●第1章 会長
その日、部室を早々に出なくてはならないのには理由があっ...
昼休みも終わりかけた頃、廊下を歩いていた僕に、学内にい...
『会長が呼んでる。放課後に来て欲しいって』~
会長、というのは生徒会長のことで間違いあるまい。~
生徒会長は2学期初めの会長選挙において、涼宮さんが想定...
クールで冷静なハンサムな雰囲気や、尊大そうな態度などが...
僕自身は生徒会に入る予定はないので、あまり生徒会室に呼...
まだ涼宮さんの前に彼が現れるのは早すぎるので、1年の教...
腕時計で指示された時間より五分ほど早いことを確認してか...
「よお、古泉、来たか」~
会議用のテーブルの上に書類を広げ、椅子に腰掛けながらそ...
他の生徒会のメンバーはいない。もう帰宅したのだろう。~
それよりも、僕は彼を一瞬だけ厳しく見つめた。度は入って...
しかし、それでもまだ……いいほうだろう。~
このドアをいつ誰が開けるかわからないという危険性を考慮...
「相談事と聞きましたが、どうかされたんですか?」~
声をかけると、会長は面倒そうにうなずき、書類はそのまま...
「施錠を頼む」~
「はい」~
僕は生徒会室のドアに鍵をかけた。~
それから会議用のテーブルから椅子を一脚運んできて、彼の...
「お話はなんでしょうか?」~
会長は既にジャケットの内側から取り出した煙草に火をつけ...
そして煙草をくわえたまま面倒そうにため息をつく。~
「昨日……渋谷で、お前のとこの多丸……なんとかって奴に捕まっ...
「ああ、その話ですか。聞いてます」~
僕は頷いた。~
昨日の夜、この人は渋谷の繁華街の隅にあるいかがわしそう...
「冗談じゃない。俺の私生活までとやかく口を出してくるなん...
会長ははき捨てるように言った。~
僕は困って眉を寄せる。それ以外どう表情を作ればいいんだ。~
「あまり治安のよくない場所だと聞いています。申し訳ないで...
「なんだと?」~
会長は僕を冷たい視線でにらみつけた。~
「俺はお前たちの人形になれっていうのか?」~
「そこまでは言っていません。しかし、生徒会長という立場は...
「……あのな」~
会長はこれみよがしの溜息をついて見せてから、改めて俺を...
「俺の行きつけの店がどんな店か知っているのか?」~
その瞳に走る好奇な色を見つけて、僕は嫌な気分になりなが...
「……風俗店のようなところだと聞いていますが」~
「そうだ」~
会長の唇の端がつりあがる。~
「快楽を求める場所だ。そこでしか味わえない。……俺の満たさ...
「……必要なら……手配はできると思います」~
ますますダウナーな口調で答える。~
僕のここ数年の生活の中に、色欲などという色っぽいキーワ...
これでもいっぱしの思春期真っ盛りの高校生ではあるのだが...
「森……だっけか? あの人にさっき電話したんだ」~
天井に向けて紫煙を吐き出しながら、会長が肩をすくめてみ...
「森さんに……?」~
女性にそんな卑猥な相談をするなんて。軽くむっとしたけれ...
浮かんだ感情は見せぬように殺して捨てながら、僕は会長を...
「あの女にも、同じようなことを言われたから、尋ねたのさ。…...
「……は?」~
勿論、真剣に聞いていた。~
だけど、どうして唐突に自分の名前が呼ばれたのか意味がわ...
会長は立ち上がり、煙草を灰皿に押し付けると、ゆっくり近...
「お前ならかろうじて俺の相手をつとめてくれてもいい。……そ...
「えっ? ……」~
身の危険を感じた。~
椅子から離れて後ろに下がると、すぐに壁に背中が当たった。~
会長が近づいてくる。生徒会室のドアを振り返る。逃げよう...
伸びてきた上級生の腕が両肩を押さえつけてきて、唇を無理...
苦い煙草の味のする口付け。全身が総毛だった。~
「!!!!! ちょ……ちょっと」~
「逃げても無駄だ」~
足首を強く蹴飛ばされて、身を持ち崩して、床に膝をついた...
「ちょ……ちょっと!!」~
「……おとなしく……しろ。大声を出して助けを求めてもいいが……...
陰湿な笑みが、目の前で揺れた。……確かに……そうだ。~
しかし、このままでは何をされてしまうやらだ。覆いかぶさ...
ぴちゃり。~
生暖かいものが耳の後ろを撫でた。頭を抱えられるようにつ...
「……やめ……て下さい!」~
「悪いがムカついているんでね。優しくできるかは保障しない...
前髪を捕まれて、額ごと床に押し付けられる。抵抗はしてい...
ちょっと待て!~
冷静になって。~
叫んではいけない。だから必死で会長の耳元で言い聞かせる...
「……!!!!」~
「フン。……いい光景だな、古泉」~
一仕事終えたような爽快な笑みを浮かべ、会長は身を離し、...
「……ど、どういうことですかっ」~
「まだわからないのか?」~
「森さんはなんて答えたんですかっ!!」~
森さんに限ってこんなことを許可するとは思えない。~
……いや、多分ない。無いと言ってくれ。~
「彼女は……」~
会長はネクタイを抜いて、それも使って、僕の手首をさらに...
それからシャツのボタンをひとつずつ外し、舐めるような視...
「そそるな、古泉」~
「勝手なことを言わないでください。……男色趣味者だなんて聞...
「それはお前の情報収集が甘いな。俺は昔から、そういう店に...
「……」~
壁際に5cmほど逃げた。~
恐ろしいことを言われた気がする。~
さらに会長は座り込んで、真剣な眼差しで尋ねてきた。~
「お前、いい旦那紹介してやるから、今から犯されてきてみな...
「………………」~
返事なんかするものか。~
精一杯の抵抗で、背中を丸めて壁際に転がった。本物の超能...
「……」~
何故かその時。唐突に、彼が、胸の中に浮かんだ。~
深入りはしない。否定も肯定も非難も賞賛もしない。~
ただ自分ができることがあれば、言ってくれたら考えてやろ...
彼は……そんな人だ。~
とはいえ、こんな状況を助けに来てくれるほど、彼は万能の...
そして助けを求める方法もない。~
むしろ方法があったとしても、助けて欲しいんです、なんて...
壁に額をつけたまま、小さく息を吐いた。なんでこんな目に...
だけどこの人を会長にしようと選んで、彼を後押しして働い...
……ここは我慢して言うとおりにしたほうがいいのかもしれな...
きっと痛いことをされるのだろう、と恐怖がこみあげてくる...
「観念したかね?」~
シャツのカフスボタンを外して、筋肉でしなやかにしまった...
なるべく視線を合わせたくない。しかし逃げられないのはわ...
「森さんは……何て言ったんですか?」~
「……ん」~
僕の上に跨り、シャツのボタンを外しながら、会長が覆い被...
抱きしめられて、髪を撫でられ、唇を重ねてくる。……これが...
「……だか……ら……、森さんは?」~
「黙って」~
まさぐる指が、乳首をつまみあげてくる。電気が走ったよう...
「……声を出せ、古泉」~
耳元で掠れる響きのよい声。~
「いや……だ」~
「思いっきり痛く突っ込まれたいか。血まみれになるぞ」~
「………………」~
あんまりな言葉に、目の端から涙が滲んで頬を伝った。~
会長は一瞬だけ口元を歪め、唇を重ねてくる。舌が潜り込ん...
心地よくなど無かった。~
艶かしくていやらしくて、背筋がぞっとするばかりだ。~
しかし彼の不興を買うのも、また恐怖ではあった。男の体が...
「古泉……」~
薄い笑みを浮かべ、会長は頬を伝い続ける涙を舌で攫った。~
「大丈夫だ……なるべく大事にする」~
「……」~
そんな優しい言葉……今更要らない。~
肌を触れる唇に、喉が掠れた。こらえようとすると歯をたて...
「……ひっ……うぅっ……」~
「いい声出せるじゃないか……古泉」~
髪を撫でて、会長が笑う。冷たく叩きつけたあとで、優しく...
さんざん体を舐められ、撫でられ、甚振られた後で、会長は...
「暫くセックスともご無沙汰だったからな……、すぐにイけそう...
「はっ?」~
「口でやれ、って言ってるんだ」~
ベルトを緩めて、下着をおろした彼のそそりたっているソレ...
自分と比べてどうこう……とは言わないが、見た瞬間に恐怖を...
「口でするのが嫌なら、お前の穴に突っ込むが、どっちがいい...
「……………………」~
黙っていると会長の手が、僕のあごを掴み、頬にそれをぴた...
そして口の中に指を差し入れ、無理やり含ませてくる。~
「うぐ……あぁ……んっ……うう」~
「いい声だ。ちゃんと含め」~
汗ばんだそれをくわえさせられ、仕方なく舌を動かした。~
もうプライドなんてどこにいったんだろう。~
「動くな」~
あごを抱えたまま会長の声が突き刺さる。~
動きを留めた僕の口に、会長はゆっくり腰を動かして進み始...
喉の奥まで簡単に届いて、呼吸が止まる。しかし口を閉じら...
「はぁ…………んぅっ……あう……んっ」~
動きがだんだん早くなってくる。~
のどの奥まで突かれ続けて、呼吸が苦しい。~
床に再び押し付けられて、口の奥まで太いモノが何度も上下...
「……けほっ……げほっ」~
「吐き出すなよな」~
気持ち悪さに肩を上下させていると、掌で口を覆われた。~
泣きながらやっと飲み込んで、呼吸を整えていると、シャツ...
「……口だけで……いいって」~
「お前だって生殺しだろう? イかせてやるよ」~
「……遠慮……しておきますから。早く……腕を解いてください」~
「嫌だね」~
右腕で上半身を再び床に押し付けられて、ズボンを解かれる。~
有無を言わさず、下着の中から取り出されたそれを、会長の...
「あう……っ」~
「いい表情するな、古泉。期待以上だ」~
「……も、もう……許して下さい」~
「無理だな。俺を満足させるのがお前の仕事だ。痛い思いをし...
「…………」~
絶望的な思いで、僕は会長を見つめた。~
クールで繊細そうに見えた美形は、爛々と瞳を輝かせて面白...
身をよじって悶えながら、諦めて目を閉じた。~
悔しくて、空しくて、心の中がもうぐちゃぐちゃだ。涙が溢...
「……古泉?」~
触れて握っていた指が離れて、不安げな会長の声が聞こえた...
しかし自分の事態が深刻になっていることに僕は気づくのが...
ひっ、ひっ、と喉が甲高く音をたてた。~
息ができない。苦しい。……気が遠くなる。~
「古泉、しっかりしろ!」~
会長の腕が再び僕を包み込む。抱きしめながら背中をさすり...
「悪かった。少しやりすぎた。……落ち着いてくれ、頼む」~
「……うー……うっ、うっ」~
声が漏れた。~
離して欲しくて、身をよじる。しかし会長はまだ離してくれ...
背中をさすり、ただ腕に抱いてくれている。抱きしめられる...
「……落ち着いたか? 水でも持ってこよう」~
「はぁ……」~
会長は僕を引っ張り上げるように立たせて、近くの椅子に腰...
そしてコップに水を汲んできて手渡し、自分は正面に腰掛け...
僕は俯いたまま、受け取ったコップの水を一口含んで、ため...
乱れきってヨレヨレになった自分の姿を一度だけ見下ろす。...
「古泉」~
会長が呼んだ。~
「……少しいじめすぎたようだな。……悪かった」~
「謝るなら……最初から……」~
「全くだ」~
会長は苦笑して、僕のほうに腕を伸ばしてきた。~
また何かされる。本能的に恐怖を感じて、思わず身を引く。...
「お前はもっと強かな性格かと思っていたよ。あれくらいのこ...
「……」~
さんざん恐ろしいことを耳打ちされていた気がする。あれく...
「正直に言うと、お前みたいな完璧なノンケを相手したことが...
「……もう冗談はやめると言って、二度としなければ……それでい...
僕はシャツのボタンをとめながら答える。指先が細かく震え...
会長が椅子から立ち上がり、代わりにボタンをはめてくれた。~
「それは……却下だな。俺は本当にお前が欲しくなってしまった」~
「は?」~
顔を上げる。~
会長の表情が真正面にあった。体に電気が走って金縛りにあ...
「……お願いだから……もう許して下さい」~
「嫌だ。欲しいものは諦めたくない」~
「……」~
言い知れぬ悪寒。~
恐怖にとてもよく似た絶望に近い感情が胸を支配した。~
この人はまだ……僕と卑猥なことを繰り返したいと言っている...
わかりやすく青ざめてしまったのかもしれない。会長は乱れ...
「そういちいち怯えるな。……もしどうしても嫌だというなら、...
「それは……」~
僕の意思だけで済むことを、「機関」に迷惑をかけるのはど...
「あなたの選定には僕も関わりました。……あなたを当選させる...
「そうだろうな」~
会長は煙草に火を灯した。~
「だが、俺もこればかりは譲れない。性的欲求は生理現象の一...
「……」~
飽きてもらうまで、僕はこの人に嗜虐的行為をされ続けなけ...
今すぐ舌を噛んでしまいたいくらいの嫌悪感が全身を通り抜...
「少し……考えさせてもらえませんか?」~
「2時間だ」~
「は?」~
「考える時間だ」~
会長は足を組んで、煙草の煙を溜息のように吐き出す。~
「今が6時を少し回ったところだな。夜の8時までに答えを出...
「……!!!」~
み、みじかっ。~
貧血になりそうだ。~
そんな僕の狼狽ぶりが会長は楽しいらしい。くっくっと喉を...
「期待してるぞ、古泉」~
ジャケットをはおり、鞄を掴みながら会長は、ポケットから...
「……これが俺の携帯のメアドだ。登録しておけ」~
「……」~
受け取って頷くと、会長は最後にもう一度、僕を見下ろして...
「悪いな。それじゃ。……それから施錠は頼む」~
遠ざかっていく足音。~
ドアが閉まってから、僕は大きく吐息をついた。~
悪いな、とか勝手に謝るな。どうして他人の玩具なんかにな...
絶対に、絶対に嫌だ。~
そんなの嫌だ。~
テーブルに顔を伏せて、握り締めた拳を強く叩き付けたとき...
浮いた涙を急いでぬぐい、電話に出る。~
「はい」~
『古泉? やっと繋がりましたね』~
森さんだった。見知った声に心から安堵する。~
「……すみません、暫く携帯から離れていて……。何度か鳴らして...
『生徒会長と会いましたか?』~
「……」~
またそれか。~
僕は言葉を飲み込んで、目を強く瞑った。~
「……会いました。いえ、会っていました、彼はもう下校しまし...
『そうですか。……酷いことはされていませんね?』~
「……酷いことって……」~
そうだ。~
あの人は森さんに相談したとか言っていた。森さんは……なん...
「あの……」~
『古泉を自由に抱かせてくれるなら、あの店にはもう行かない...
「相談……!?」~
今のが相談!?~
僕は口をぱくぱく動かした。いや、森さんもそこで断ってく...
『彼の元には、今から多丸さん達に向かってもらって、他の選...
それが叶うなら願ってもいないことだけど。~
会長の態度から、それをすぐに受け入れてくれそうには僕に...
「もし……それでも僕がいいと言われた場合は……どうしたらいい...
『それは……その時に考えましょう。……古泉、大丈夫ですよ』~
「……」~
森さんの優しい声に、僕は胸の中に抱いた氷がゆっくり解け...
溶けた氷があたたかな水となって、ほおをつたって流れる。~
しかし気づかれたくなくて、涙を急いで腕で擦ってから僕は...
「何かあったら教えてください。……僕は今から下校します」~
『わかりました』~
森さんとの電話を切って、僕は乱れてしわだらけになった服...
日が沈んだあとの藍色に染まり始める世界。校庭にまだ出て...
歩きながら大きく息を吸い込んだ。~
その時、後ろから「よっ」と声がかかる。~
振り返ると、彼が、いた。~
「まだいたのか古泉、帰るって言ってなかったか?」~
並んで歩き出しながら、どうでもよさそうに彼が尋ねてきた...
「学内にいる機関の協力者と懇談していたのですよ」~
話せるのはここまでだ。心の内側まで彼は覗き込んだりしな...
「またそれか」~
彼は面倒くさそうな顔をして、「なんかコソコソやってんじ...
「ふふふ、どうでしょうね。……その方を皆さんにご紹介する機...
「へぇ……期待せずに待っておくとするか」~
「そうしてください。さて、僕は今日はあちらに用事があるの...
校門のところで、あえて彼とは違う道を通って帰ることにし...
僕の家は、途中までは彼と同じ道のりを通る場所にある。で...
「なんだよ、これからまた出かけるのか?」~
「忙しいんですよ、これでも」~
数歩離れてから視線を感じて振り返ると、彼は僕のよれよれ...
「……お前喧嘩でもしたのか?」~
「そんなことをしそうな風に見えますか?」~
「さあな? お前のことはよくわからん。まあいいや、それじ...
「ええ、また明日」~
背中を向けて去っていく彼と、僕も歩き出す真似をしながら...
神と共に手をとりあい、光の道を歩んでいくのが彼なのだと...
僕はその二人の影の中でしか生きられない籠の鳥。~
心配などかけてはいけない。~
きっと話したり悟られたところで、気色悪いと思われるに違...
ただそれでも。そうだとわかっていても。~
彼に会えたことで僕の胸は少しだけ勇気づけられていた。~
<つづく>
#br
- 会長に悶えました…!超GJ!出来ることなら続きをお願いした...
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~
●第1章 会長
その日、部室を早々に出なくてはならないのには理由があっ...
昼休みも終わりかけた頃、廊下を歩いていた僕に、学内にい...
『会長が呼んでる。放課後に来て欲しいって』~
会長、というのは生徒会長のことで間違いあるまい。~
生徒会長は2学期初めの会長選挙において、涼宮さんが想定...
クールで冷静なハンサムな雰囲気や、尊大そうな態度などが...
僕自身は生徒会に入る予定はないので、あまり生徒会室に呼...
まだ涼宮さんの前に彼が現れるのは早すぎるので、1年の教...
腕時計で指示された時間より五分ほど早いことを確認してか...
「よお、古泉、来たか」~
会議用のテーブルの上に書類を広げ、椅子に腰掛けながらそ...
他の生徒会のメンバーはいない。もう帰宅したのだろう。~
それよりも、僕は彼を一瞬だけ厳しく見つめた。度は入って...
しかし、それでもまだ……いいほうだろう。~
このドアをいつ誰が開けるかわからないという危険性を考慮...
「相談事と聞きましたが、どうかされたんですか?」~
声をかけると、会長は面倒そうにうなずき、書類はそのまま...
「施錠を頼む」~
「はい」~
僕は生徒会室のドアに鍵をかけた。~
それから会議用のテーブルから椅子を一脚運んできて、彼の...
「お話はなんでしょうか?」~
会長は既にジャケットの内側から取り出した煙草に火をつけ...
そして煙草をくわえたまま面倒そうにため息をつく。~
「昨日……渋谷で、お前のとこの多丸……なんとかって奴に捕まっ...
「ああ、その話ですか。聞いてます」~
僕は頷いた。~
昨日の夜、この人は渋谷の繁華街の隅にあるいかがわしそう...
「冗談じゃない。俺の私生活までとやかく口を出してくるなん...
会長ははき捨てるように言った。~
僕は困って眉を寄せる。それ以外どう表情を作ればいいんだ。~
「あまり治安のよくない場所だと聞いています。申し訳ないで...
「なんだと?」~
会長は僕を冷たい視線でにらみつけた。~
「俺はお前たちの人形になれっていうのか?」~
「そこまでは言っていません。しかし、生徒会長という立場は...
「……あのな」~
会長はこれみよがしの溜息をついて見せてから、改めて俺を...
「俺の行きつけの店がどんな店か知っているのか?」~
その瞳に走る好奇な色を見つけて、僕は嫌な気分になりなが...
「……風俗店のようなところだと聞いていますが」~
「そうだ」~
会長の唇の端がつりあがる。~
「快楽を求める場所だ。そこでしか味わえない。……俺の満たさ...
「……必要なら……手配はできると思います」~
ますますダウナーな口調で答える。~
僕のここ数年の生活の中に、色欲などという色っぽいキーワ...
これでもいっぱしの思春期真っ盛りの高校生ではあるのだが...
「森……だっけか? あの人にさっき電話したんだ」~
天井に向けて紫煙を吐き出しながら、会長が肩をすくめてみ...
「森さんに……?」~
女性にそんな卑猥な相談をするなんて。軽くむっとしたけれ...
浮かんだ感情は見せぬように殺して捨てながら、僕は会長を...
「あの女にも、同じようなことを言われたから、尋ねたのさ。…...
「……は?」~
勿論、真剣に聞いていた。~
だけど、どうして唐突に自分の名前が呼ばれたのか意味がわ...
会長は立ち上がり、煙草を灰皿に押し付けると、ゆっくり近...
「お前ならかろうじて俺の相手をつとめてくれてもいい。……そ...
「えっ? ……」~
身の危険を感じた。~
椅子から離れて後ろに下がると、すぐに壁に背中が当たった。~
会長が近づいてくる。生徒会室のドアを振り返る。逃げよう...
伸びてきた上級生の腕が両肩を押さえつけてきて、唇を無理...
苦い煙草の味のする口付け。全身が総毛だった。~
「!!!!! ちょ……ちょっと」~
「逃げても無駄だ」~
足首を強く蹴飛ばされて、身を持ち崩して、床に膝をついた...
「ちょ……ちょっと!!」~
「……おとなしく……しろ。大声を出して助けを求めてもいいが……...
陰湿な笑みが、目の前で揺れた。……確かに……そうだ。~
しかし、このままでは何をされてしまうやらだ。覆いかぶさ...
ぴちゃり。~
生暖かいものが耳の後ろを撫でた。頭を抱えられるようにつ...
「……やめ……て下さい!」~
「悪いがムカついているんでね。優しくできるかは保障しない...
前髪を捕まれて、額ごと床に押し付けられる。抵抗はしてい...
ちょっと待て!~
冷静になって。~
叫んではいけない。だから必死で会長の耳元で言い聞かせる...
「……!!!!」~
「フン。……いい光景だな、古泉」~
一仕事終えたような爽快な笑みを浮かべ、会長は身を離し、...
「……ど、どういうことですかっ」~
「まだわからないのか?」~
「森さんはなんて答えたんですかっ!!」~
森さんに限ってこんなことを許可するとは思えない。~
……いや、多分ない。無いと言ってくれ。~
「彼女は……」~
会長はネクタイを抜いて、それも使って、僕の手首をさらに...
それからシャツのボタンをひとつずつ外し、舐めるような視...
「そそるな、古泉」~
「勝手なことを言わないでください。……男色趣味者だなんて聞...
「それはお前の情報収集が甘いな。俺は昔から、そういう店に...
「……」~
壁際に5cmほど逃げた。~
恐ろしいことを言われた気がする。~
さらに会長は座り込んで、真剣な眼差しで尋ねてきた。~
「お前、いい旦那紹介してやるから、今から犯されてきてみな...
「………………」~
返事なんかするものか。~
精一杯の抵抗で、背中を丸めて壁際に転がった。本物の超能...
「……」~
何故かその時。唐突に、彼が、胸の中に浮かんだ。~
深入りはしない。否定も肯定も非難も賞賛もしない。~
ただ自分ができることがあれば、言ってくれたら考えてやろ...
彼は……そんな人だ。~
とはいえ、こんな状況を助けに来てくれるほど、彼は万能の...
そして助けを求める方法もない。~
むしろ方法があったとしても、助けて欲しいんです、なんて...
壁に額をつけたまま、小さく息を吐いた。なんでこんな目に...
だけどこの人を会長にしようと選んで、彼を後押しして働い...
……ここは我慢して言うとおりにしたほうがいいのかもしれな...
きっと痛いことをされるのだろう、と恐怖がこみあげてくる...
「観念したかね?」~
シャツのカフスボタンを外して、筋肉でしなやかにしまった...
なるべく視線を合わせたくない。しかし逃げられないのはわ...
「森さんは……何て言ったんですか?」~
「……ん」~
僕の上に跨り、シャツのボタンを外しながら、会長が覆い被...
抱きしめられて、髪を撫でられ、唇を重ねてくる。……これが...
「……だか……ら……、森さんは?」~
「黙って」~
まさぐる指が、乳首をつまみあげてくる。電気が走ったよう...
「……声を出せ、古泉」~
耳元で掠れる響きのよい声。~
「いや……だ」~
「思いっきり痛く突っ込まれたいか。血まみれになるぞ」~
「………………」~
あんまりな言葉に、目の端から涙が滲んで頬を伝った。~
会長は一瞬だけ口元を歪め、唇を重ねてくる。舌が潜り込ん...
心地よくなど無かった。~
艶かしくていやらしくて、背筋がぞっとするばかりだ。~
しかし彼の不興を買うのも、また恐怖ではあった。男の体が...
「古泉……」~
薄い笑みを浮かべ、会長は頬を伝い続ける涙を舌で攫った。~
「大丈夫だ……なるべく大事にする」~
「……」~
そんな優しい言葉……今更要らない。~
肌を触れる唇に、喉が掠れた。こらえようとすると歯をたて...
「……ひっ……うぅっ……」~
「いい声出せるじゃないか……古泉」~
髪を撫でて、会長が笑う。冷たく叩きつけたあとで、優しく...
さんざん体を舐められ、撫でられ、甚振られた後で、会長は...
「暫くセックスともご無沙汰だったからな……、すぐにイけそう...
「はっ?」~
「口でやれ、って言ってるんだ」~
ベルトを緩めて、下着をおろした彼のそそりたっているソレ...
自分と比べてどうこう……とは言わないが、見た瞬間に恐怖を...
「口でするのが嫌なら、お前の穴に突っ込むが、どっちがいい...
「……………………」~
黙っていると会長の手が、僕のあごを掴み、頬にそれをぴた...
そして口の中に指を差し入れ、無理やり含ませてくる。~
「うぐ……あぁ……んっ……うう」~
「いい声だ。ちゃんと含め」~
汗ばんだそれをくわえさせられ、仕方なく舌を動かした。~
もうプライドなんてどこにいったんだろう。~
「動くな」~
あごを抱えたまま会長の声が突き刺さる。~
動きを留めた僕の口に、会長はゆっくり腰を動かして進み始...
喉の奥まで簡単に届いて、呼吸が止まる。しかし口を閉じら...
「はぁ…………んぅっ……あう……んっ」~
動きがだんだん早くなってくる。~
のどの奥まで突かれ続けて、呼吸が苦しい。~
床に再び押し付けられて、口の奥まで太いモノが何度も上下...
「……けほっ……げほっ」~
「吐き出すなよな」~
気持ち悪さに肩を上下させていると、掌で口を覆われた。~
泣きながらやっと飲み込んで、呼吸を整えていると、シャツ...
「……口だけで……いいって」~
「お前だって生殺しだろう? イかせてやるよ」~
「……遠慮……しておきますから。早く……腕を解いてください」~
「嫌だね」~
右腕で上半身を再び床に押し付けられて、ズボンを解かれる。~
有無を言わさず、下着の中から取り出されたそれを、会長の...
「あう……っ」~
「いい表情するな、古泉。期待以上だ」~
「……も、もう……許して下さい」~
「無理だな。俺を満足させるのがお前の仕事だ。痛い思いをし...
「…………」~
絶望的な思いで、僕は会長を見つめた。~
クールで繊細そうに見えた美形は、爛々と瞳を輝かせて面白...
身をよじって悶えながら、諦めて目を閉じた。~
悔しくて、空しくて、心の中がもうぐちゃぐちゃだ。涙が溢...
「……古泉?」~
触れて握っていた指が離れて、不安げな会長の声が聞こえた...
しかし自分の事態が深刻になっていることに僕は気づくのが...
ひっ、ひっ、と喉が甲高く音をたてた。~
息ができない。苦しい。……気が遠くなる。~
「古泉、しっかりしろ!」~
会長の腕が再び僕を包み込む。抱きしめながら背中をさすり...
「悪かった。少しやりすぎた。……落ち着いてくれ、頼む」~
「……うー……うっ、うっ」~
声が漏れた。~
離して欲しくて、身をよじる。しかし会長はまだ離してくれ...
背中をさすり、ただ腕に抱いてくれている。抱きしめられる...
「……落ち着いたか? 水でも持ってこよう」~
「はぁ……」~
会長は僕を引っ張り上げるように立たせて、近くの椅子に腰...
そしてコップに水を汲んできて手渡し、自分は正面に腰掛け...
僕は俯いたまま、受け取ったコップの水を一口含んで、ため...
乱れきってヨレヨレになった自分の姿を一度だけ見下ろす。...
「古泉」~
会長が呼んだ。~
「……少しいじめすぎたようだな。……悪かった」~
「謝るなら……最初から……」~
「全くだ」~
会長は苦笑して、僕のほうに腕を伸ばしてきた。~
また何かされる。本能的に恐怖を感じて、思わず身を引く。...
「お前はもっと強かな性格かと思っていたよ。あれくらいのこ...
「……」~
さんざん恐ろしいことを耳打ちされていた気がする。あれく...
「正直に言うと、お前みたいな完璧なノンケを相手したことが...
「……もう冗談はやめると言って、二度としなければ……それでい...
僕はシャツのボタンをとめながら答える。指先が細かく震え...
会長が椅子から立ち上がり、代わりにボタンをはめてくれた。~
「それは……却下だな。俺は本当にお前が欲しくなってしまった」~
「は?」~
顔を上げる。~
会長の表情が真正面にあった。体に電気が走って金縛りにあ...
「……お願いだから……もう許して下さい」~
「嫌だ。欲しいものは諦めたくない」~
「……」~
言い知れぬ悪寒。~
恐怖にとてもよく似た絶望に近い感情が胸を支配した。~
この人はまだ……僕と卑猥なことを繰り返したいと言っている...
わかりやすく青ざめてしまったのかもしれない。会長は乱れ...
「そういちいち怯えるな。……もしどうしても嫌だというなら、...
「それは……」~
僕の意思だけで済むことを、「機関」に迷惑をかけるのはど...
「あなたの選定には僕も関わりました。……あなたを当選させる...
「そうだろうな」~
会長は煙草に火を灯した。~
「だが、俺もこればかりは譲れない。性的欲求は生理現象の一...
「……」~
飽きてもらうまで、僕はこの人に嗜虐的行為をされ続けなけ...
今すぐ舌を噛んでしまいたいくらいの嫌悪感が全身を通り抜...
「少し……考えさせてもらえませんか?」~
「2時間だ」~
「は?」~
「考える時間だ」~
会長は足を組んで、煙草の煙を溜息のように吐き出す。~
「今が6時を少し回ったところだな。夜の8時までに答えを出...
「……!!!」~
み、みじかっ。~
貧血になりそうだ。~
そんな僕の狼狽ぶりが会長は楽しいらしい。くっくっと喉を...
「期待してるぞ、古泉」~
ジャケットをはおり、鞄を掴みながら会長は、ポケットから...
「……これが俺の携帯のメアドだ。登録しておけ」~
「……」~
受け取って頷くと、会長は最後にもう一度、僕を見下ろして...
「悪いな。それじゃ。……それから施錠は頼む」~
遠ざかっていく足音。~
ドアが閉まってから、僕は大きく吐息をついた。~
悪いな、とか勝手に謝るな。どうして他人の玩具なんかにな...
絶対に、絶対に嫌だ。~
そんなの嫌だ。~
テーブルに顔を伏せて、握り締めた拳を強く叩き付けたとき...
浮いた涙を急いでぬぐい、電話に出る。~
「はい」~
『古泉? やっと繋がりましたね』~
森さんだった。見知った声に心から安堵する。~
「……すみません、暫く携帯から離れていて……。何度か鳴らして...
『生徒会長と会いましたか?』~
「……」~
またそれか。~
僕は言葉を飲み込んで、目を強く瞑った。~
「……会いました。いえ、会っていました、彼はもう下校しまし...
『そうですか。……酷いことはされていませんね?』~
「……酷いことって……」~
そうだ。~
あの人は森さんに相談したとか言っていた。森さんは……なん...
「あの……」~
『古泉を自由に抱かせてくれるなら、あの店にはもう行かない...
「相談……!?」~
今のが相談!?~
僕は口をぱくぱく動かした。いや、森さんもそこで断ってく...
『彼の元には、今から多丸さん達に向かってもらって、他の選...
それが叶うなら願ってもいないことだけど。~
会長の態度から、それをすぐに受け入れてくれそうには僕に...
「もし……それでも僕がいいと言われた場合は……どうしたらいい...
『それは……その時に考えましょう。……古泉、大丈夫ですよ』~
「……」~
森さんの優しい声に、僕は胸の中に抱いた氷がゆっくり解け...
溶けた氷があたたかな水となって、ほおをつたって流れる。~
しかし気づかれたくなくて、涙を急いで腕で擦ってから僕は...
「何かあったら教えてください。……僕は今から下校します」~
『わかりました』~
森さんとの電話を切って、僕は乱れてしわだらけになった服...
日が沈んだあとの藍色に染まり始める世界。校庭にまだ出て...
歩きながら大きく息を吸い込んだ。~
その時、後ろから「よっ」と声がかかる。~
振り返ると、彼が、いた。~
「まだいたのか古泉、帰るって言ってなかったか?」~
並んで歩き出しながら、どうでもよさそうに彼が尋ねてきた...
「学内にいる機関の協力者と懇談していたのですよ」~
話せるのはここまでだ。心の内側まで彼は覗き込んだりしな...
「またそれか」~
彼は面倒くさそうな顔をして、「なんかコソコソやってんじ...
「ふふふ、どうでしょうね。……その方を皆さんにご紹介する機...
「へぇ……期待せずに待っておくとするか」~
「そうしてください。さて、僕は今日はあちらに用事があるの...
校門のところで、あえて彼とは違う道を通って帰ることにし...
僕の家は、途中までは彼と同じ道のりを通る場所にある。で...
「なんだよ、これからまた出かけるのか?」~
「忙しいんですよ、これでも」~
数歩離れてから視線を感じて振り返ると、彼は僕のよれよれ...
「……お前喧嘩でもしたのか?」~
「そんなことをしそうな風に見えますか?」~
「さあな? お前のことはよくわからん。まあいいや、それじ...
「ええ、また明日」~
背中を向けて去っていく彼と、僕も歩き出す真似をしながら...
神と共に手をとりあい、光の道を歩んでいくのが彼なのだと...
僕はその二人の影の中でしか生きられない籠の鳥。~
心配などかけてはいけない。~
きっと話したり悟られたところで、気色悪いと思われるに違...
ただそれでも。そうだとわかっていても。~
彼に会えたことで僕の胸は少しだけ勇気づけられていた。~
<つづく>
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- 会長に悶えました…!超GJ!出来ることなら続きをお願いした...
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