古キョン?げんしけんパロディ
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*古キョン?げんしけんパロディ [#tf5918d7]
#br
空が少しだけ橙に染まり出した頃、人気のまばらな廊下を歩く...
~
(今日も頑張るとしますか)~
~
既に学校の授業は全て終了し、大抵の学生にとって学校での一...
しかし、古泉一樹にとっては今からこそが学校生活において最...
~
(少し遅くなってしまいましたね…凉宮さんの機嫌が悪くなって...
~
掃除当番の上に委員会の召集があったため、本来自分が部室へ...
ただでさえ時間に厳しい我等が団長様だと言うのに、遅くなる...
日頃彼女の中に置いてそれなりの位置をキープしてはいるが、...
しかし委員会の召集は六時間目の終了後に全校アナウンスで流...
~
コンコン、ガチャっ~
「こんにちは。遅くなってしまってすみません」~
「………よ。」~
「おや…貴方一人ですか?」 ~
~
それなりに覚悟をして扉を開いたものの、そこには仏頂面をし...
~
「珍しいですね、凉宮さん達はどうしたんです?」 ~
「ん……多分帰った。」 ~
~
僕の問いに本から彼が目線を上げもせずに答える。 ~
~
「多分? …とは?」 ~
「ハルヒが二人を引きずって飛び出したまま、帰って来てない...
「ああ、なるほど…」 ~
「…」 ~
「……」 ~
~
疑問が解決した瞬間沈黙が部屋を包む。 ~
…あの…なんか凄く気まずいんですけど……なんでこんなに空気が...
~
しかしそんな事はおくびにも出さず金太郎飴スマイルで対面の...
珍しいと言えば彼もそうで、まるで長門さんのように分厚い本...
いや、僕が見たことが無いだけで、変わった事を良く知ってい...
僕だって、立場上必要に迫られて様々な本を読んでいる。 ~
ここで今彼の読んでいる本の話題でも振れば、それなりに会話...
…しかしタイトルを見ようにも、本にはブックカバーがかけられ...
~
…ならば、逆にそれを利用して話しかけるまでです!! ~
~
~
「それ、何て言う本ですか?」 ~
「…」 ~
~
(…………無視ですよ) ~
~
(…いやいや、さすがにいくら彼でもそれはしないでしょう。ひ...
~
「…」 ~
「……」 ~
「………」 ~
~
ゴソゴソ(鞄を開ける) ~
~
「…あれ? (ゴソゴソ) ぁ、あれ。(ゴソゴソ) おかしいで...
~
ガタン(椅子から立ち上がり) ~
~
ガチャっ、バタン(扉の外へ) ~
~
~
~
(出てってどうする!!逃げてどーすんですか僕っ!!妙な小芝...
~
変にしどろもどろな小芝居をした自分に今更死ぬほど恥ずかし...
おそらく僕に凉宮さんの能力があれば今すぐにでも世界をリセ...
~
(変ですねぇ…別に彼を意識する事なんて無いと言うのに…大体僕...
~
あまりにも不自然な態度をとってしまった自分に果てしなく自...
何とか頭をシャキっとさせようと、勝手に足が向かっていた自...
~
(もっとこう、普通に話しかけるきっかけがあれば…) ~
~
そう思った瞬間、紅茶の缶と目が会った気がした。 ~
~
(………) ~
~
~
~
~
「これ、飲みませんか?」 ~
「………………は?」 ~
「いえ、少し乾燥してますし、喉が渇かないかと思いまして…僕...
~
よし、我ながらなかなかの演技です!! ~
これなら彼に断る理由はありませんし、会話のきっかけに… ~
~
「いや…いいよ」 ~
「缶ですから、変な物は入っていませんし。」 ~
「は?…いや、そんな事じゃなくてだな…もらう理由が無いだろ...
~
そういうと、また彼は本へと視線を戻してしまった。 ~
~
(…アレ…アレ?おかしいですね…ひょっとして僕、ズレちゃって...
~
とりあえず無理に押しつけるのも悪いので二人分の缶ジュース...
~
(ああ、炭酸なんか買うんじゃなかった… ~
少しずつしか飲めないから時間がかかるし、その間にもう一つ...
おまけに炭酸でお腹がふくれてあまり量が飲めない… ~
いや、これは僕の配分ミスですね。最初に紅茶を飲めばよかっ...
まったく、一体今日は何だと言うんでしょう。凉宮さんが何か...
大体なんでこんなに必死で彼と喋ろうとしてるんです?別に喋...
僕も適当に本を読むか携帯でもいじっていれば良いんです。 ~
と言うか、凉宮さん達が帰ったかもしれないなら僕も帰って良...
…って、誰に話しかけてんですか、しかも心の中で。) ~
~
なんとか苦労しつつ炭酸ジュースを飲み終え、半ばヤケで紅茶...
何の気は無しに彼の方を見てみた。 ~
~
「っ………………………!!!!!!!!!!」 ~
~
瞬間、口に含んだ紅茶を盛大にリバースしそうになるも何とか...
~
(こっ…これはっ…!) ~
~
彼の鼻。 ~
鼻自体に問題は無い。 ~
問題なのはその小さな穴の付近だ。 ~
形の良い、自分ではなんだかんだと言いつつワリと整った顔を...
~
(え?え?ちょっと待って下さいよ!!夕日をバックに真剣な表...
…いや待て、落ち着くんです僕。ひょっとしたら何かゴミかもし...
~
「…」 ~
~
こそっと見上げるように上目使いでもう一度盗み見てみる。 ~
しかし先程見たソレは、変わる事無くしっかりとそこに鎮座し...
~
~
~
(ある意味………いや、ある意味、物凄い話しかけるきっかけでは...
いや、しかし…あの出方を見ると[抜けたのが引っかかってる]の...
…でも、あのまま落ちずに外に出て笑われるのも可哀想ですし…...
…いや、それ以前に凉宮さん達が帰ってきたらノーチャンスです...
はっ!そうだ!! ~
~
「鼻の下、何かついていますよ?」 ~
「えっ 何処だ?」 ~
「貴方からみて左です」 ~
「あれ、これ鼻毛じゃん」 ~
あはははは ~
…うん。これくらいならいけます…軽いノリで…) ~
~
「…」 ~
「……」 ~
「………」 ~
~
~
(…僕の意気地無し…っ!!!(涙) ) ~
~
~
~
~
多分、今の僕を誰かが見ていたとしたら救急車を呼んだだろう...
普段ポーカーフェイスと言っても過言ではない位同じ笑顔を貼...
いや、僕でなくともコレは怪しいでしょう。 ~
~
(妙に意識するから駄目なんですっ!!! ~
大体彼ならこんな事で傷つく事はない!!……と、思う。 ~
何時も通り。いや、何時も以上に爽やかな笑顔で、さりげなく...
…えぇいっ考える前に動け!! ~
とびきりの、爽やかな、笑顔でっ!!!!!) ~
~
ふと視線を感じ、顔を上げた。 ~
沈む夕日。 ~
夕暮れに染まる部室。 ~
二人きりの空間。 ~
異様な雰囲気を纏う男。 ~
その目は怪しく輝き、息使いも荒く、まるで無理矢理力づくで...
そのまま近ずく距離… ~
「うわあああああああああああああ!!!!!!」 ~
ゴッ!!! ガタンっ ドサッ ~
~
はっ… ~
~
沈む古泉。 ~
(血に)染まる顔。 ~
~
「あ……あああ…悪ぃ…あまりにも危険な顔してたもんで、ツッコ...
~
あらゆる意味で動揺するキョン。 ~
壁際まで吹っ飛ばされた古泉は、それでもいつもの笑顔で立ち...
~
「え? え、いや、平気です。え?殴った?全然解りませんで...
「え……は?『わかんない』って ……は?」 ~
「いやあの、いや、本当に平気です。全然平気……あ、ゴミ落ち...
「は?」 ~
「いえ、鼻の下についていたので」 ~
~
そう言うと古泉は廊下へと続く扉へ近付き、ドアノブを回した...
~
「あ…ちょ、何処行くんだよ」 ~
「いえ、鏡見に行くだけですよ。いや、平気です。本当に大丈...
「や…あの…悪ぃ…マジでごめん」 ~
~
ガチャ、バタン… ~
殴られて血を流しながらもいつも以上に満面の笑みで大声を出...
「……頭殴っちまったのか…?」 ~
そう呟き呆然と中腰のまま固まるキョンに、答えてくれる者は...
~
蛇口から流れ出る水を手にすくい、口に含む。 ~
軽くゆすぐと口内に鉄の味が広がった。 ~
(…切れてますね…) ~
ぺ。と水を出すと案の定、透明なはずのそれに薄く朱が混ざっ...
「…何やってるんでしょう、僕…」 ~
赤くなった頬は、少し腫れていた。 ~
(…明日までに治るかな…) ~
やっぱり、今日の自分はおかしい。妙に彼を意識しすぎだ。 ~
多分、さっきの出来事だって、いつもの自分なら何の問題もな...
ふと鏡を見ると、殴られたのと逆の頬まで赤くなっていた。 ~
(ノーマル…の、はずだったんですがねえ…) ~
気づいてしまった。 ~
今まで一年も見てきて気付かなかったのに、たった一瞬で。 ~
夕日を背にした彼の顔を見つめていたうちに。 ~
(色気の欠片もない状況でよくまあ…我ながら何と言うか…しかも...
殴られた頬がジンジンとうずく。 ~
もう一度冷たい水で顔を洗い、ふぅと溜め息をついた。 ~
(ある意味…一年たったからこそなのかもしれませんね) ~
ただでさえハードルは高いと言うのに、鏡の中の自分は笑って...
~
「まったく…困ったものです。」 ~
~
先程までの妙な感覚は、もうふっきれていて…殴られた後の残る...
明日からどうやって彼に近付こうかを考えながら。 ~
~
「…帰ってこねぇし」 ~
まだいつもSOS団が活動を終了する時間ではないため、いつハル...
終了行:
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空が少しだけ橙に染まり出した頃、人気のまばらな廊下を歩く...
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(今日も頑張るとしますか)~
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既に学校の授業は全て終了し、大抵の学生にとって学校での一...
しかし、古泉一樹にとっては今からこそが学校生活において最...
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(少し遅くなってしまいましたね…凉宮さんの機嫌が悪くなって...
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掃除当番の上に委員会の召集があったため、本来自分が部室へ...
ただでさえ時間に厳しい我等が団長様だと言うのに、遅くなる...
日頃彼女の中に置いてそれなりの位置をキープしてはいるが、...
しかし委員会の召集は六時間目の終了後に全校アナウンスで流...
~
コンコン、ガチャっ~
「こんにちは。遅くなってしまってすみません」~
「………よ。」~
「おや…貴方一人ですか?」 ~
~
それなりに覚悟をして扉を開いたものの、そこには仏頂面をし...
~
「珍しいですね、凉宮さん達はどうしたんです?」 ~
「ん……多分帰った。」 ~
~
僕の問いに本から彼が目線を上げもせずに答える。 ~
~
「多分? …とは?」 ~
「ハルヒが二人を引きずって飛び出したまま、帰って来てない...
「ああ、なるほど…」 ~
「…」 ~
「……」 ~
~
疑問が解決した瞬間沈黙が部屋を包む。 ~
…あの…なんか凄く気まずいんですけど……なんでこんなに空気が...
~
しかしそんな事はおくびにも出さず金太郎飴スマイルで対面の...
珍しいと言えば彼もそうで、まるで長門さんのように分厚い本...
いや、僕が見たことが無いだけで、変わった事を良く知ってい...
僕だって、立場上必要に迫られて様々な本を読んでいる。 ~
ここで今彼の読んでいる本の話題でも振れば、それなりに会話...
…しかしタイトルを見ようにも、本にはブックカバーがかけられ...
~
…ならば、逆にそれを利用して話しかけるまでです!! ~
~
~
「それ、何て言う本ですか?」 ~
「…」 ~
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(…………無視ですよ) ~
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(…いやいや、さすがにいくら彼でもそれはしないでしょう。ひ...
~
「…」 ~
「……」 ~
「………」 ~
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ゴソゴソ(鞄を開ける) ~
~
「…あれ? (ゴソゴソ) ぁ、あれ。(ゴソゴソ) おかしいで...
~
ガタン(椅子から立ち上がり) ~
~
ガチャっ、バタン(扉の外へ) ~
~
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(出てってどうする!!逃げてどーすんですか僕っ!!妙な小芝...
~
変にしどろもどろな小芝居をした自分に今更死ぬほど恥ずかし...
おそらく僕に凉宮さんの能力があれば今すぐにでも世界をリセ...
~
(変ですねぇ…別に彼を意識する事なんて無いと言うのに…大体僕...
~
あまりにも不自然な態度をとってしまった自分に果てしなく自...
何とか頭をシャキっとさせようと、勝手に足が向かっていた自...
~
(もっとこう、普通に話しかけるきっかけがあれば…) ~
~
そう思った瞬間、紅茶の缶と目が会った気がした。 ~
~
(………) ~
~
~
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~
「これ、飲みませんか?」 ~
「………………は?」 ~
「いえ、少し乾燥してますし、喉が渇かないかと思いまして…僕...
~
よし、我ながらなかなかの演技です!! ~
これなら彼に断る理由はありませんし、会話のきっかけに… ~
~
「いや…いいよ」 ~
「缶ですから、変な物は入っていませんし。」 ~
「は?…いや、そんな事じゃなくてだな…もらう理由が無いだろ...
~
そういうと、また彼は本へと視線を戻してしまった。 ~
~
(…アレ…アレ?おかしいですね…ひょっとして僕、ズレちゃって...
~
とりあえず無理に押しつけるのも悪いので二人分の缶ジュース...
~
(ああ、炭酸なんか買うんじゃなかった… ~
少しずつしか飲めないから時間がかかるし、その間にもう一つ...
おまけに炭酸でお腹がふくれてあまり量が飲めない… ~
いや、これは僕の配分ミスですね。最初に紅茶を飲めばよかっ...
まったく、一体今日は何だと言うんでしょう。凉宮さんが何か...
大体なんでこんなに必死で彼と喋ろうとしてるんです?別に喋...
僕も適当に本を読むか携帯でもいじっていれば良いんです。 ~
と言うか、凉宮さん達が帰ったかもしれないなら僕も帰って良...
…って、誰に話しかけてんですか、しかも心の中で。) ~
~
なんとか苦労しつつ炭酸ジュースを飲み終え、半ばヤケで紅茶...
何の気は無しに彼の方を見てみた。 ~
~
「っ………………………!!!!!!!!!!」 ~
~
瞬間、口に含んだ紅茶を盛大にリバースしそうになるも何とか...
~
(こっ…これはっ…!) ~
~
彼の鼻。 ~
鼻自体に問題は無い。 ~
問題なのはその小さな穴の付近だ。 ~
形の良い、自分ではなんだかんだと言いつつワリと整った顔を...
~
(え?え?ちょっと待って下さいよ!!夕日をバックに真剣な表...
…いや待て、落ち着くんです僕。ひょっとしたら何かゴミかもし...
~
「…」 ~
~
こそっと見上げるように上目使いでもう一度盗み見てみる。 ~
しかし先程見たソレは、変わる事無くしっかりとそこに鎮座し...
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~
~
(ある意味………いや、ある意味、物凄い話しかけるきっかけでは...
いや、しかし…あの出方を見ると[抜けたのが引っかかってる]の...
…でも、あのまま落ちずに外に出て笑われるのも可哀想ですし…...
…いや、それ以前に凉宮さん達が帰ってきたらノーチャンスです...
はっ!そうだ!! ~
~
「鼻の下、何かついていますよ?」 ~
「えっ 何処だ?」 ~
「貴方からみて左です」 ~
「あれ、これ鼻毛じゃん」 ~
あはははは ~
…うん。これくらいならいけます…軽いノリで…) ~
~
「…」 ~
「……」 ~
「………」 ~
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(…僕の意気地無し…っ!!!(涙) ) ~
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多分、今の僕を誰かが見ていたとしたら救急車を呼んだだろう...
普段ポーカーフェイスと言っても過言ではない位同じ笑顔を貼...
いや、僕でなくともコレは怪しいでしょう。 ~
~
(妙に意識するから駄目なんですっ!!! ~
大体彼ならこんな事で傷つく事はない!!……と、思う。 ~
何時も通り。いや、何時も以上に爽やかな笑顔で、さりげなく...
…えぇいっ考える前に動け!! ~
とびきりの、爽やかな、笑顔でっ!!!!!) ~
~
ふと視線を感じ、顔を上げた。 ~
沈む夕日。 ~
夕暮れに染まる部室。 ~
二人きりの空間。 ~
異様な雰囲気を纏う男。 ~
その目は怪しく輝き、息使いも荒く、まるで無理矢理力づくで...
そのまま近ずく距離… ~
「うわあああああああああああああ!!!!!!」 ~
ゴッ!!! ガタンっ ドサッ ~
~
はっ… ~
~
沈む古泉。 ~
(血に)染まる顔。 ~
~
「あ……あああ…悪ぃ…あまりにも危険な顔してたもんで、ツッコ...
~
あらゆる意味で動揺するキョン。 ~
壁際まで吹っ飛ばされた古泉は、それでもいつもの笑顔で立ち...
~
「え? え、いや、平気です。え?殴った?全然解りませんで...
「え……は?『わかんない』って ……は?」 ~
「いやあの、いや、本当に平気です。全然平気……あ、ゴミ落ち...
「は?」 ~
「いえ、鼻の下についていたので」 ~
~
そう言うと古泉は廊下へと続く扉へ近付き、ドアノブを回した...
~
「あ…ちょ、何処行くんだよ」 ~
「いえ、鏡見に行くだけですよ。いや、平気です。本当に大丈...
「や…あの…悪ぃ…マジでごめん」 ~
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ガチャ、バタン… ~
殴られて血を流しながらもいつも以上に満面の笑みで大声を出...
「……頭殴っちまったのか…?」 ~
そう呟き呆然と中腰のまま固まるキョンに、答えてくれる者は...
~
蛇口から流れ出る水を手にすくい、口に含む。 ~
軽くゆすぐと口内に鉄の味が広がった。 ~
(…切れてますね…) ~
ぺ。と水を出すと案の定、透明なはずのそれに薄く朱が混ざっ...
「…何やってるんでしょう、僕…」 ~
赤くなった頬は、少し腫れていた。 ~
(…明日までに治るかな…) ~
やっぱり、今日の自分はおかしい。妙に彼を意識しすぎだ。 ~
多分、さっきの出来事だって、いつもの自分なら何の問題もな...
ふと鏡を見ると、殴られたのと逆の頬まで赤くなっていた。 ~
(ノーマル…の、はずだったんですがねえ…) ~
気づいてしまった。 ~
今まで一年も見てきて気付かなかったのに、たった一瞬で。 ~
夕日を背にした彼の顔を見つめていたうちに。 ~
(色気の欠片もない状況でよくまあ…我ながら何と言うか…しかも...
殴られた頬がジンジンとうずく。 ~
もう一度冷たい水で顔を洗い、ふぅと溜め息をついた。 ~
(ある意味…一年たったからこそなのかもしれませんね) ~
ただでさえハードルは高いと言うのに、鏡の中の自分は笑って...
~
「まったく…困ったものです。」 ~
~
先程までの妙な感覚は、もうふっきれていて…殴られた後の残る...
明日からどうやって彼に近付こうかを考えながら。 ~
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「…帰ってこねぇし」 ~
まだいつもSOS団が活動を終了する時間ではないため、いつハル...
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