古キョンパラレル?遊郭ネタ
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*古キョンパラレル?遊郭ネタ [#xc471a1c]
#br
彼は接客を生業としている割には笑わない…悪く言えば無愛想...
金で一時の夢を買いに来る者が集まるこの花街の見世におい...
しかし彼は客をぞんざいに扱うような人ではなかった。~
初めて彼の客となったその日から、僕は気付いていた。取り...
僕の言葉に時には頷き、時には言葉を返し、時には呆れた顔...
彼と過ごす穏やかな時間が心地よくて、僕は彼の元に何度も...
そして初めて肌を重ねた時。普段の様子からは想像も出来な...
それが彼の仕事だから――ただそれだけなのかも知れないけれ...
~
~
「あの…」~
見世に通い、幾度となく繰り返してきた情交の後、僕は彼に...
「あなたを身請けするにはいくら必要なのでしょう」~
「……」~
僕の問いに彼は一瞬目を丸くしたが、しばらくすると物憂げ...
「さぁな。さして人気があるでもないし、そんなにかからんだ...
人気がないだなんて、そんな筈がない。あなたは気高く、美...
「お前以外に客がいないとは言わないさ。一度会ったら次も同...
僕は違う。そんな習わしやプライドの為にあなたに会いに来...
「分かってる。お前ほど俺の所に通ってくる奴もいないからな」~
彼は小さくありがとよ―と呟いて、力なく微笑んだ。~
「…とにかく、妙な事を考えるのは止せ。お前なら外でいくらで...
そう仰ると思っていましたよ。自分の為に多額の出費をする...
「駄目なんですよ。あなたでないと」~
僕は彼の手を取り、真っ直ぐにその瞳を見詰めた。~
「僕はあなたをここから連れ出したい。その為には身請けをす...
「一生出られない訳じゃないさ。勤めも十年もすりゃ年明きだ」~
彼はそう言って、口の端を不自然に上げた。無理に笑うなん...
「それまで待てと仰るのなら待つ事も厭いません。けれど僕は...
「ちょっと待て、古泉…」~
「あなたにとって僕が数いる客の一人にすぎない事も分かって...
「待てって!聞けよ」~
珍しく声を荒げた彼の顔を、僕は少しの驚きと共に見る。不...
「誤解があるようだから言っておくが、俺は誰にでもこんな事...
「え…?」~
「お前だから許したんだ。まぁ…こんなんだから客も付かないん...
僕に抱かれるのは、仕事だからではないと…?~
「本当、に…?」~
「嘘は嫌いなんだ」~
それはつまり、あなたも僕を想ってくれていると…そう言う事...
「お前がここに来なければ良いのにと思う事がある」~
そう言って、彼は切なげに眉根を寄せた。~
「俺は好きな奴に抱かれてる―ただそれだけなのに、お前はそれ...
全ては僕がやりたくてやっている事です。あなたが気に病む...
「けど、お前が来ないと俺はお前に会えない。会いに来て欲し...
眉間に深い皺を刻んだまま、彼は目を伏せた。~
「今日だってそうだ。お前が来てくれた事が嬉しくて…辛い。こ...
彼の指が、僕の手を握り返す。僕は彼の身体を引き寄せ、抱...
本当は、この生活から抜け出したい。~
僕には彼がそう言っているように思えた。それならば、やは...
「やはりあなたをこのままにはしておけない」~
「古泉…?」~
「しばらく来られなくなるかも知れませんが…許して下さいます...
一時の夢ではなく、終生の幸せを手にする為に。~
「許すも許さないもないな。二度と来なかったとしても俺はお...
「必ず来ます。ですからその時は…」~
あなたの全てを僕に下さい。そして許して下さい。~
~
あなたを連れてこの街を去る事を――。~
終了行:
*古キョンパラレル?遊郭ネタ [#xc471a1c]
#br
彼は接客を生業としている割には笑わない…悪く言えば無愛想...
金で一時の夢を買いに来る者が集まるこの花街の見世におい...
しかし彼は客をぞんざいに扱うような人ではなかった。~
初めて彼の客となったその日から、僕は気付いていた。取り...
僕の言葉に時には頷き、時には言葉を返し、時には呆れた顔...
彼と過ごす穏やかな時間が心地よくて、僕は彼の元に何度も...
そして初めて肌を重ねた時。普段の様子からは想像も出来な...
それが彼の仕事だから――ただそれだけなのかも知れないけれ...
~
~
「あの…」~
見世に通い、幾度となく繰り返してきた情交の後、僕は彼に...
「あなたを身請けするにはいくら必要なのでしょう」~
「……」~
僕の問いに彼は一瞬目を丸くしたが、しばらくすると物憂げ...
「さぁな。さして人気があるでもないし、そんなにかからんだ...
人気がないだなんて、そんな筈がない。あなたは気高く、美...
「お前以外に客がいないとは言わないさ。一度会ったら次も同...
僕は違う。そんな習わしやプライドの為にあなたに会いに来...
「分かってる。お前ほど俺の所に通ってくる奴もいないからな」~
彼は小さくありがとよ―と呟いて、力なく微笑んだ。~
「…とにかく、妙な事を考えるのは止せ。お前なら外でいくらで...
そう仰ると思っていましたよ。自分の為に多額の出費をする...
「駄目なんですよ。あなたでないと」~
僕は彼の手を取り、真っ直ぐにその瞳を見詰めた。~
「僕はあなたをここから連れ出したい。その為には身請けをす...
「一生出られない訳じゃないさ。勤めも十年もすりゃ年明きだ」~
彼はそう言って、口の端を不自然に上げた。無理に笑うなん...
「それまで待てと仰るのなら待つ事も厭いません。けれど僕は...
「ちょっと待て、古泉…」~
「あなたにとって僕が数いる客の一人にすぎない事も分かって...
「待てって!聞けよ」~
珍しく声を荒げた彼の顔を、僕は少しの驚きと共に見る。不...
「誤解があるようだから言っておくが、俺は誰にでもこんな事...
「え…?」~
「お前だから許したんだ。まぁ…こんなんだから客も付かないん...
僕に抱かれるのは、仕事だからではないと…?~
「本当、に…?」~
「嘘は嫌いなんだ」~
それはつまり、あなたも僕を想ってくれていると…そう言う事...
「お前がここに来なければ良いのにと思う事がある」~
そう言って、彼は切なげに眉根を寄せた。~
「俺は好きな奴に抱かれてる―ただそれだけなのに、お前はそれ...
全ては僕がやりたくてやっている事です。あなたが気に病む...
「けど、お前が来ないと俺はお前に会えない。会いに来て欲し...
眉間に深い皺を刻んだまま、彼は目を伏せた。~
「今日だってそうだ。お前が来てくれた事が嬉しくて…辛い。こ...
彼の指が、僕の手を握り返す。僕は彼の身体を引き寄せ、抱...
本当は、この生活から抜け出したい。~
僕には彼がそう言っているように思えた。それならば、やは...
「やはりあなたをこのままにはしておけない」~
「古泉…?」~
「しばらく来られなくなるかも知れませんが…許して下さいます...
一時の夢ではなく、終生の幸せを手にする為に。~
「許すも許さないもないな。二度と来なかったとしても俺はお...
「必ず来ます。ですからその時は…」~
あなたの全てを僕に下さい。そして許して下さい。~
~
あなたを連れてこの街を去る事を――。~
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