古キョン 雪山症候群妄想
をテンプレートにして作成
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
検索
|
最終更新
|
ヘルプ
]
開始行:
*雪山症候群妄想(古キョン) [#nf7dd4f6]
#br
「お休みなさい」 ~
向かいの部屋に入っていく女性陣宛ての微笑みを貼り付かせ...
すっかり表情が抜け落ちた所で、あてがわれた殺風景な個室...
そういえば一人になって初めて、案外と消耗している事に気...
――実際、あまり芳しい状況ではありませんしね。 ~
すっかり板に付いた口調で形ばかりに自分を労ってみるが、...
軽く溜め息をついて、後頭部を扉にもたせかけた。自然に瞼...
考えろ。 ~
突然の猛吹雪。誂えたように出現した山荘。時間の流れの相...
考えろ。冷静に、客観的に、速やかに。 ~
こうしている間にも、隣室との時間はかけ離れていっている...
今の自分に振られた役割は、彼女――愛すべき我らが団長の周...
考えろ。手の内の情報の全てを用いて。 ~
片手で顔を撫で下ろし、目を開けた。 ~
部屋の中は相変わらずの無機質な印象だったが、はめ殺しの...
隣の部屋も同じような様子なのだろうか、と何となく気にな...
がくっ、と体が前のめりになった所で、意識が浮上した。 ~
時間感覚は出来るだけ保っておくべきだ、とそう心掛けてい...
「古泉」 ~
思い掛けない声が意外な近さから聞こえ、ぎょっとして振り...
「悪い、返事なかったから勝手に邪魔した」 ~
カーテンを閉めている今、室内の闇の中ではっきりとは見え...
「あ……鍵、掛かってませんでしたか」 ~
「ん? 開いてたぞ」 ~
彼は何でもないようにそう答え、自分の横にどさっと腰を下...
鍵を閉めなかった? この状況下で、自分が? ~
「そんなはずは……」 ~
「古泉」 ~
自分の呟きをかき消すように、彼が自分を呼んだ。直感的に...
これは――この予感は何だ? ~
「……ああ、すみません、暗いままもなんですね。今灯りを点け...
自分が何に反応したのかがわからない。その不可解な感覚を...
そして続く彼の行動に、本気で言葉を失う事になる。 ~
「いや、いい」 ~
呟きながら、彼は手を伸ばして立ち上がった自分の手首を正...
いぶかしむ自分を後目に、彼はその手をぐいと引き寄せた。 ~
「……っ」 ~
バランスを失い、ベッドの上に片膝を突いて乗り上げてしま...
すぐ目の前に彼の顔があった。普段なら、彼に思い切り眉を...
空いている方の手が、おずおずとぎこちなく自分の背に絡ん...
彼の体に抱き込まれてはじめて、服が一緒に風呂場で着替え...
「好きだ」 ~
弱々しい彼の声のほとんどが、熱い息となって耳の中に吹き...
悪魔の言葉の意味が翻訳されて脳に到達すると、それは即座...
――質の悪い冗談だ。全然笑えない。 ~
「……この状況下で、ふざけている場合ではないと思いますが」 ~
乾いた喉に言葉が絡み、上手く声を出せなかった。気付かれ...
「冗談はまた次の機会にしましょう。その時は大いに笑って差...
人畜無害な対人スキルを仕込んでくれた『機関』に、今だけ...
彼はしばらくの間自分の肩に顔を埋めていたが、 ~
「すまん。……言うだけ、言っておきたかった。忘れてくれ」 ~
そう掠れた声で謝り、のろのろと体を離した。彼の体の重み...
どれだけ待っても、自分が望んだ「冗談だ」の一言は、彼の...
その結果、自分は話題を切り上げる最後の言葉の選択を間違...
「からかうのも程々に。……万が一、僕が本気にしたらどうする...
彼が顔を上げるのが見えた。衣擦れの音がして、自分の二の...
闇の中で、彼の瞳がうっすらと光った。 ~
「……してみろよ」 ~
ほのかな輝きが細められたと同時に、唇に濡れた感触がした...
(これは――) ~
呆気にとられていた自分は、彼の唇が再び押し付けられるの...
手探りで彼のネクタイをつかみ、乱暴に緩めた。彼は最初に...
苦しそうな声に構わず、舌を絡ませながら雑な手付きで胸元...
間違いない。彼が着用しているのは明らかに我が高校の制服...
「……古泉」 ~
彼の前髪をかき上げ、額にもキスを落とした。 ~
「何でしょう」 ~
口付けの合間の吐息も、自分の背に縋る指の感覚も、彼の全...
そして熱に浮かされたような口調で、彼が呟いた。 ~
「お前だけがいてくれれば、俺は……」 ~
「――この辺にしておきましょうか」 ~
枕元のカーテンを、勢いよく引いた。闇に慣れた目には眩し...
外見では区別は付かないかもしれない。念のためと横を向か...
「ゲームオーバーです。なかなかお上手でしたよ……キスだけは...
相手も少し驚いた顔から、やる気の無さそうな表情に変わっ...
(自分の願望のままの彼と寝たいなどと、誰が思うものか) ~
「つまらない悪戯の代償は、この世界からの出口を提供して頂...
「難しい相談だな」 ~
「あなたには無理だと言うのなら、あなたの創造主ですか? ...
「残念だが、俺に出来る事はそう多くないんでね」 ~
「ですから、あなたは……」 ~
言い掛けた途中で突然首に手を回され、目を見開いた。 ~
「……お互い損な役回りだな」 ~
軽く唇が触れ合い――その次の瞬間、腹と背中から腰に掛けて...
「待……」 ~
後を追って駆け出した勢いのまま、自分はドアを開け放った...
……どうだ。 ~
どうだというのはつまり、賢明なる諸君がこれをかいつまん...
「あなたがあの時の話をどうしても聞きたいとおっしゃるので...
ああそうだよ野次馬根性を出した俺が悪かった聞かなきゃ良...
ちょっとした興味でこの話題を出した、数分前の俺の舌をひ...
「結局はあなたじゃないんですからいいじゃありませんか。恥...
お前はそういう事を臆面もなく俺に話せる時点で羞恥心が欠...
「困りましたね。これでは恥を忍んでお話しした甲斐がない。...
だから一体どこの誰が、こっ恥ずかしい身に覚えのない自分...
「顔、赤いですよ」 ~
忌々しいニヤケ顔が俺を面白そうに眺めている。……物凄く殴...
そんな葛藤の末、最終的に俺の口からは、その日最大級の溜...
---------------------------------------------
- コメント行すっかり忘れてた。申し訳ない…。 -- [[162]] &n...
- GJですGJ過ぎます姐さん…!これからテレカ見る目も雪山...
- 今更だがGJ!古泉の余裕ぶりが自分の中の古泉像にピッタリ...
- 絶対こんなことがあったとしか思えない!古キョン派として...
- 1期で無駄にほくろ毛のシーンがあったのは、これの伏線な...
#comment
終了行:
*雪山症候群妄想(古キョン) [#nf7dd4f6]
#br
「お休みなさい」 ~
向かいの部屋に入っていく女性陣宛ての微笑みを貼り付かせ...
すっかり表情が抜け落ちた所で、あてがわれた殺風景な個室...
そういえば一人になって初めて、案外と消耗している事に気...
――実際、あまり芳しい状況ではありませんしね。 ~
すっかり板に付いた口調で形ばかりに自分を労ってみるが、...
軽く溜め息をついて、後頭部を扉にもたせかけた。自然に瞼...
考えろ。 ~
突然の猛吹雪。誂えたように出現した山荘。時間の流れの相...
考えろ。冷静に、客観的に、速やかに。 ~
こうしている間にも、隣室との時間はかけ離れていっている...
今の自分に振られた役割は、彼女――愛すべき我らが団長の周...
考えろ。手の内の情報の全てを用いて。 ~
片手で顔を撫で下ろし、目を開けた。 ~
部屋の中は相変わらずの無機質な印象だったが、はめ殺しの...
隣の部屋も同じような様子なのだろうか、と何となく気にな...
がくっ、と体が前のめりになった所で、意識が浮上した。 ~
時間感覚は出来るだけ保っておくべきだ、とそう心掛けてい...
「古泉」 ~
思い掛けない声が意外な近さから聞こえ、ぎょっとして振り...
「悪い、返事なかったから勝手に邪魔した」 ~
カーテンを閉めている今、室内の闇の中ではっきりとは見え...
「あ……鍵、掛かってませんでしたか」 ~
「ん? 開いてたぞ」 ~
彼は何でもないようにそう答え、自分の横にどさっと腰を下...
鍵を閉めなかった? この状況下で、自分が? ~
「そんなはずは……」 ~
「古泉」 ~
自分の呟きをかき消すように、彼が自分を呼んだ。直感的に...
これは――この予感は何だ? ~
「……ああ、すみません、暗いままもなんですね。今灯りを点け...
自分が何に反応したのかがわからない。その不可解な感覚を...
そして続く彼の行動に、本気で言葉を失う事になる。 ~
「いや、いい」 ~
呟きながら、彼は手を伸ばして立ち上がった自分の手首を正...
いぶかしむ自分を後目に、彼はその手をぐいと引き寄せた。 ~
「……っ」 ~
バランスを失い、ベッドの上に片膝を突いて乗り上げてしま...
すぐ目の前に彼の顔があった。普段なら、彼に思い切り眉を...
空いている方の手が、おずおずとぎこちなく自分の背に絡ん...
彼の体に抱き込まれてはじめて、服が一緒に風呂場で着替え...
「好きだ」 ~
弱々しい彼の声のほとんどが、熱い息となって耳の中に吹き...
悪魔の言葉の意味が翻訳されて脳に到達すると、それは即座...
――質の悪い冗談だ。全然笑えない。 ~
「……この状況下で、ふざけている場合ではないと思いますが」 ~
乾いた喉に言葉が絡み、上手く声を出せなかった。気付かれ...
「冗談はまた次の機会にしましょう。その時は大いに笑って差...
人畜無害な対人スキルを仕込んでくれた『機関』に、今だけ...
彼はしばらくの間自分の肩に顔を埋めていたが、 ~
「すまん。……言うだけ、言っておきたかった。忘れてくれ」 ~
そう掠れた声で謝り、のろのろと体を離した。彼の体の重み...
どれだけ待っても、自分が望んだ「冗談だ」の一言は、彼の...
その結果、自分は話題を切り上げる最後の言葉の選択を間違...
「からかうのも程々に。……万が一、僕が本気にしたらどうする...
彼が顔を上げるのが見えた。衣擦れの音がして、自分の二の...
闇の中で、彼の瞳がうっすらと光った。 ~
「……してみろよ」 ~
ほのかな輝きが細められたと同時に、唇に濡れた感触がした...
(これは――) ~
呆気にとられていた自分は、彼の唇が再び押し付けられるの...
手探りで彼のネクタイをつかみ、乱暴に緩めた。彼は最初に...
苦しそうな声に構わず、舌を絡ませながら雑な手付きで胸元...
間違いない。彼が着用しているのは明らかに我が高校の制服...
「……古泉」 ~
彼の前髪をかき上げ、額にもキスを落とした。 ~
「何でしょう」 ~
口付けの合間の吐息も、自分の背に縋る指の感覚も、彼の全...
そして熱に浮かされたような口調で、彼が呟いた。 ~
「お前だけがいてくれれば、俺は……」 ~
「――この辺にしておきましょうか」 ~
枕元のカーテンを、勢いよく引いた。闇に慣れた目には眩し...
外見では区別は付かないかもしれない。念のためと横を向か...
「ゲームオーバーです。なかなかお上手でしたよ……キスだけは...
相手も少し驚いた顔から、やる気の無さそうな表情に変わっ...
(自分の願望のままの彼と寝たいなどと、誰が思うものか) ~
「つまらない悪戯の代償は、この世界からの出口を提供して頂...
「難しい相談だな」 ~
「あなたには無理だと言うのなら、あなたの創造主ですか? ...
「残念だが、俺に出来る事はそう多くないんでね」 ~
「ですから、あなたは……」 ~
言い掛けた途中で突然首に手を回され、目を見開いた。 ~
「……お互い損な役回りだな」 ~
軽く唇が触れ合い――その次の瞬間、腹と背中から腰に掛けて...
「待……」 ~
後を追って駆け出した勢いのまま、自分はドアを開け放った...
……どうだ。 ~
どうだというのはつまり、賢明なる諸君がこれをかいつまん...
「あなたがあの時の話をどうしても聞きたいとおっしゃるので...
ああそうだよ野次馬根性を出した俺が悪かった聞かなきゃ良...
ちょっとした興味でこの話題を出した、数分前の俺の舌をひ...
「結局はあなたじゃないんですからいいじゃありませんか。恥...
お前はそういう事を臆面もなく俺に話せる時点で羞恥心が欠...
「困りましたね。これでは恥を忍んでお話しした甲斐がない。...
だから一体どこの誰が、こっ恥ずかしい身に覚えのない自分...
「顔、赤いですよ」 ~
忌々しいニヤケ顔が俺を面白そうに眺めている。……物凄く殴...
そんな葛藤の末、最終的に俺の口からは、その日最大級の溜...
---------------------------------------------
- コメント行すっかり忘れてた。申し訳ない…。 -- [[162]] &n...
- GJですGJ過ぎます姐さん…!これからテレカ見る目も雪山...
- 今更だがGJ!古泉の余裕ぶりが自分の中の古泉像にピッタリ...
- 絶対こんなことがあったとしか思えない!古キョン派として...
- 1期で無駄にほくろ毛のシーンがあったのは、これの伏線な...
#comment
ページ名: