古キョン 雨だれ
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*古キョン 雨だれ[#l4db1a16]
[[雨だれ:http://white-album.net/archives/download.php?mus...
~
~
その日は朝からじっとりとした蒸し暑さの日だった。重苦し...
それにしても何とも言えない湿気だ。暑さだけしもこの湿気...
と、ここまでだらだらと考えた視界の端でふと長門の視線を...
「……蒸し暑いですね」~
そこに何とも良いタイミングで、目にも涼やかな夏ヴァージ...
「ふう、確かに随分暑いわね。今日はここで解散! 皆明日10...
雨が降っても来るのよ、と言ってハルヒは疾風のごとく部室...
帰ろうとすると古泉が~
「ご一緒していいですか?」~
とこんな気候にも関わらず実に爽やかに声をかけてきた。~
~
~
じめじめした帰り道をやる気なく歩いていると、冷たいしず...
「おや、とうとう雨が降り出しましたね。夕方まで降らないと...
賭けに外れたって、要するに傘を忘れたってことだろ。~
「そうとも言います。それはあなたも同じことでしょう? 蒸...
いや、忘れてないと言おうとして俺は逡巡した。一人が傘を...
幸い、それほど雨もひどくならずに分岐点に来た。じゃーな...
「あなたの家まではまだかなりあるでしょう。傘を貸しますよ」~
と無邪気に笑いかける古泉に今更傘を持っているとは言えな...
~
~
傘を借りて帰ろうとすると古泉はちょっと気の毒そうに俺を...
「随分ぬれてしまいましたね。着替えますか? 服は貸します...
一人暮らしですし気兼ねは要りません、と古泉は言った。一...
「三年前からです。……服はこれでいいですか?」~
案内しながら古泉は奥にある部屋の黒いローチェストからT...
部屋も機関とやらに提供されたものなのだろうか。ごく普通...
「どうでしょう」~
古泉は声を立てずに笑った。~
そう言えば俺はコイツのプライヴェートのことは何も知らな...
俺は数日前の記憶を思い出していた。~
それはハルヒのいない静かな部室でのことだった。淹れ立て...
「もし僕があなたに恋をしていたらどうなるでしょうね」~
なんだそれは。どうなるかって自分のことだろう。お前には...
ちなみに俺にはない。~
「いえ、ないですよ。ただもし恋をしていたらどうなるでしょ...
仮定にしてもなぜそんなことを考えるんだ。~
「……。例えが悪かったようですね。長門さんが……。いや、やっ...
古泉は話し終えると何を考えているのか分からない顔で笑っ...
「そうでしょうね」~
会話はそれきり終わった。結局古泉が何が言いたかったのか...
……もし僕があなたに恋をしていたらどうなるでしょうね。~
だからこの不毛な仮定を考えた理由は何なんだ。~
気が付けば古泉を凝視していた。俺の視線に気付くと唇の端...
「何か僕の顔に付いてますか?」~
目と鼻と口は付いてるな。~
「服ありがとう。今度洗って返す」~
玄関を出ようとした俺を古泉がじっと見ていた。自分がして...
「……傘、貸しますよ」~
俺は少しだけ動揺した。妙な嘘を吐いたせいだ。~
「忘れるところだった」~
俺は古泉からビニール傘を受け取った。~
「……待ってください」~
古泉はふたたび俺を止めた。今度は何だ?~
「黙っていようかと思っていたのですが……」~
古泉は静かな声で言った。その声は俺の心臓を叩いた。~
「どうして傘を持っていると言わなかったのですか? 先ほど...
別に意味はないが、持っていたことを忘れてたんだと俺は言...
「ほら」~
古泉は鞄のなかの傘を指した。古泉は先の読めない目をして...
「入っている」~
古泉は静かな声で言ったが、十分に熱した空気のなかで火花...
「……感情の一貫性はどこで保証されるのでしょうか」~
俺はその言葉にふたたび傷付き、怒りを覚えた。また痛みを...
「俺の感情は誰にも保証されない」~
俺は古泉を引き寄せるとぶつかるように唇を合わせた。~
「好きだ」~
古泉は何も言わずにきつく俺を抱き締めた。触れ合った箇所...
「僕も……あなたを何より大切にしたいと思ってます」~
古泉の囁きは耳朶を打ち、俺は足元から沈み行くような目眩...
#hr
- 文章すごくうまい…GJです。湿っぽい感じが好みです。 -- &...
- 結果的には言ったけれど、一旦は「黙っていようかと思って...
#comment
終了行:
*古キョン 雨だれ[#l4db1a16]
[[雨だれ:http://white-album.net/archives/download.php?mus...
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その日は朝からじっとりとした蒸し暑さの日だった。重苦し...
それにしても何とも言えない湿気だ。暑さだけしもこの湿気...
と、ここまでだらだらと考えた視界の端でふと長門の視線を...
「……蒸し暑いですね」~
そこに何とも良いタイミングで、目にも涼やかな夏ヴァージ...
「ふう、確かに随分暑いわね。今日はここで解散! 皆明日10...
雨が降っても来るのよ、と言ってハルヒは疾風のごとく部室...
帰ろうとすると古泉が~
「ご一緒していいですか?」~
とこんな気候にも関わらず実に爽やかに声をかけてきた。~
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じめじめした帰り道をやる気なく歩いていると、冷たいしず...
「おや、とうとう雨が降り出しましたね。夕方まで降らないと...
賭けに外れたって、要するに傘を忘れたってことだろ。~
「そうとも言います。それはあなたも同じことでしょう? 蒸...
いや、忘れてないと言おうとして俺は逡巡した。一人が傘を...
幸い、それほど雨もひどくならずに分岐点に来た。じゃーな...
「あなたの家まではまだかなりあるでしょう。傘を貸しますよ」~
と無邪気に笑いかける古泉に今更傘を持っているとは言えな...
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傘を借りて帰ろうとすると古泉はちょっと気の毒そうに俺を...
「随分ぬれてしまいましたね。着替えますか? 服は貸します...
一人暮らしですし気兼ねは要りません、と古泉は言った。一...
「三年前からです。……服はこれでいいですか?」~
案内しながら古泉は奥にある部屋の黒いローチェストからT...
部屋も機関とやらに提供されたものなのだろうか。ごく普通...
「どうでしょう」~
古泉は声を立てずに笑った。~
そう言えば俺はコイツのプライヴェートのことは何も知らな...
俺は数日前の記憶を思い出していた。~
それはハルヒのいない静かな部室でのことだった。淹れ立て...
「もし僕があなたに恋をしていたらどうなるでしょうね」~
なんだそれは。どうなるかって自分のことだろう。お前には...
ちなみに俺にはない。~
「いえ、ないですよ。ただもし恋をしていたらどうなるでしょ...
仮定にしてもなぜそんなことを考えるんだ。~
「……。例えが悪かったようですね。長門さんが……。いや、やっ...
古泉は話し終えると何を考えているのか分からない顔で笑っ...
「そうでしょうね」~
会話はそれきり終わった。結局古泉が何が言いたかったのか...
……もし僕があなたに恋をしていたらどうなるでしょうね。~
だからこの不毛な仮定を考えた理由は何なんだ。~
気が付けば古泉を凝視していた。俺の視線に気付くと唇の端...
「何か僕の顔に付いてますか?」~
目と鼻と口は付いてるな。~
「服ありがとう。今度洗って返す」~
玄関を出ようとした俺を古泉がじっと見ていた。自分がして...
「……傘、貸しますよ」~
俺は少しだけ動揺した。妙な嘘を吐いたせいだ。~
「忘れるところだった」~
俺は古泉からビニール傘を受け取った。~
「……待ってください」~
古泉はふたたび俺を止めた。今度は何だ?~
「黙っていようかと思っていたのですが……」~
古泉は静かな声で言った。その声は俺の心臓を叩いた。~
「どうして傘を持っていると言わなかったのですか? 先ほど...
別に意味はないが、持っていたことを忘れてたんだと俺は言...
「ほら」~
古泉は鞄のなかの傘を指した。古泉は先の読めない目をして...
「入っている」~
古泉は静かな声で言ったが、十分に熱した空気のなかで火花...
「……感情の一貫性はどこで保証されるのでしょうか」~
俺はその言葉にふたたび傷付き、怒りを覚えた。また痛みを...
「俺の感情は誰にも保証されない」~
俺は古泉を引き寄せるとぶつかるように唇を合わせた。~
「好きだ」~
古泉は何も言わずにきつく俺を抱き締めた。触れ合った箇所...
「僕も……あなたを何より大切にしたいと思ってます」~
古泉の囁きは耳朶を打ち、俺は足元から沈み行くような目眩...
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- 文章すごくうまい…GJです。湿っぽい感じが好みです。 -- &...
- 結果的には言ったけれど、一旦は「黙っていようかと思って...
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