キョン×古泉 バレンタイン
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*≪キョン×古泉 バレンタイン≫ [#r7edc7bc]
~
これ以上抱えきれないかもしれないから、だから、たった一...
~
~
俺は自惚れていたんだろうか。唐突にそう思った。 ~
朝から学校内は色に例えるならもの凄く乙女チックなピンク...
一週間以上前からデパートや駅前を賑わせていたお菓子業者...
あぁみんなこんな事に金ばっかり使って大変だな、ご苦労さ...
と、言ってやるつもりだった。 ~
それなのに朝から妙に落ち着かない俺の心臓の動悸は一体ど...
同語反復が得意でも世の中得する事なんて少なそうだな。 ~
単刀直入に言おう。 ~
~
俺は古泉がチョコをくれるだろうと確信していたのだ。 ~
~
笑いたければ笑うがいいさ。俺の頭の中もあの部室で過ごし...
普通に考えれば古泉は男だし、外国ならまだしも日本でのバ...
古泉の話題が出るとしたら「あぁあいつどんだけチョコ貰っ...
それがどうした事だ。俺は古泉が俺にチョコをくれるんじゃ...
頭が可笑しいのは俺の方か? いやいやでも古泉がいそいそ...
~
* ~
~
そんなこんなで人生の中で歳の数だけ味わって来たバレンタ...
俺の頭の中を思考不能にした張本人である古泉はと言うと、...
それもその筈、古泉はドアを開けるのすら一苦労なだけの大荷...
「…ご苦労さん」 ~
四方や此処で使う事になるとは思っていなかったが取り敢え...
すると古泉は拾い上げた可愛らしい包みを両腕で抱えながら...
敢えて何も言わずに微笑んだこいつはそのまま鞄にその包み...
「普段は頂かないんですけどね…」 ~
と、許容量ギリギリの鞄を見つめて嘆息した。 ~
その言葉が何だか少しだけ言い訳じみた響きを含んでいる様...
「流石に机の上や中に名前も書かずに置いておかれたものまで...
やれやれ、と言う風に肩を竦めて見せた古泉が、何だかちょ...
「さて、今日は何をしますか?」 ~
しかし次の瞬間にはいつも通りの貼り付けた様な笑顔が古泉...
俺は何を期待してるんだ。 ~
~
* ~
~
その日のオセロは絶不調で、何とか勝ったものの中盤までは...
あぁもう、ホントに今日の俺はどうかしてる。 ~
古泉が俺をどう認識しているかと言う問題についてはお互い...
(そうだ、俺はきっと) ~
それでも俺は古泉が俺の事を拒絶もしなければ否定もせずに...
(きっと、 ) ~
それが当たり前だと思っていて、 ~
~
(俺は、自惚れていたんだろうか…) ~
~
そりゃそうだ、古泉だって男なんだ。 ~
女の子からチョコを貰って「好きです」なんて言われた日に...
だから古泉の事を同情とか憐れみとかそう言う気持ちから意...
そんな曖昧な、それこそ同語反復で全てを誤魔化して互いを...
(俺は、自惚れていたんだ) ~
唐突にそう思った言葉が、確信に変わった。最悪の日だ、今...
「…どうしました?」 ~
不意に掛けられた古泉の澄んだ声が、俺の意識を一瞬だけで...
何か、言いたい言葉が喉元を掠めた。 ~
けれど俺は何も言えないまま「何でもない」なんて言葉を反...
「そろそろ帰りましょう」 ~
「荷物でも持ってやろうか」 ~
「…いえ、大丈夫ですよ。心配いりません」 ~
妙に感情の無い言葉を交わした後で、俺と古泉は帰路につい...
~
* ~
~
「今日は星が見えませんね」 ~
帰り際、会話のない沈黙の中で、古泉がふと夜空を見上げて...
「そうだな」 ~
呟いた言葉は想像以上に空虚で、あぁ失敗したな、普段なら...
今日ほど早く帰りたいと思った事は無いかもしれない。ふた...
(だって、全部俺の自惚れかもしれないだなんて) ~
そんなの、 ~
(あまりに滑稽過ぎるじゃないか) ~
恋なんて精神病の一種だと言ったハルヒの言葉が頭の中を過...
俺は何をするでもなく、取り敢えず古泉と同じ様に夜空を見...
いつかこいつに手を引かれて侵入した閉鎖空間よりも深く、...
「…なぁ、古泉」 ~
「何ですか?」 ~
いつもの様に貼り付けた笑顔のままの古泉が首を傾げて俺を...
~
俺はそのマフラーを引っ張って軽くキスをした。 ~
~
「…っ、」 ~
短く息を飲む音が聞こえて、それから直ぐに唇を離す。 ~
自惚れでもいいさ、恋なんて精神病の一種なんだとしたらそ...
言葉で、態度で、それを伝えたかどうかだ。 ~
だったら俺だって伝えてやるよ、お前に。 ~
でもそんなに沢山貰ってるならこれ以上抱えきれないかもし...
~
「好きだぞ、古泉」 ~
~
間近で顔を見つめてそう言う。 ~
さて、その時の古泉の表情をどうやって表現したらいいんだ...
さっきまでの貼り付けた様な笑顔は一瞬の内に吹き飛んで、...
それから少しだけ目を伏せて(何だかそれは泣きそうな顔にも...
「…、よかった…」 ~
絞り出した様なか細い声が俺の耳元を掠めて、お、と思った...
~
知ってる。お前が俺に抱きつく時がどんな時か。 ~
情事の時だってそうだからもう知ってるよ。自分の顔を見ら...
知ってるって言ってるのにでも抱きついてくるお前が、何だ...
それから俺はそんな古泉の背中を撫でて、ほんの少しして漸...
そして冷たい手が俺の手を(そう、あの日の様に)取って、そ...
俺はゆっくりと手のひらを見つめた。 ~
少し歪な形の、小さなチョコレート。 ~
「あの、…貴方に、渡そうと思ってたんですけど…」 ~
頭の中でバラバラになっている言葉を何とか普段通りに紡ご...
「渡して良いのか、わからなくて…」 ~
ホントに馬鹿だよ、お前。そして俺もかなりの大馬鹿野郎だ...
お前は俺が何で今日一日をイライラしながら過ごしたか何て...
今更ながら、言い訳じみた言葉を捲し立てた事や「よかった...
(あぁ、もう) ~
「貴方に嫌悪感を抱いて欲しくなかったんだと思います、僕は...
必死に言い訳を続ける古泉。 ~
(もういいって、何も言わなくて) ~
「後手に回るしか出来なくて結局何も出来なくて、だから…」 ~
地面に深く落としていた視線が、不意に上げられる。 ~
星空すら見えない黒い空の中でぽっかりと丸く地面を照らす...
~
「有り難う御座います」 ~
「俺の台詞を取るな」 ~
~
そう言ってもう一度、言葉を紡ぎ掛けた古泉の唇を塞ぐ。 ~
呼吸を奪う一瞬。 ~
それからまたたった一言、「ありがとう」と、囁いたんだ。 ~
~
* ~
~
さて、それからの話を少しだけ続けよう。 ~
俺はまた顔を隠そうとして手を伸ばしてきた古泉の頬を両手...
それと同時に、両親に対する古泉の部屋に泊まるもっともら...
~
ハッピーバレンタイン。 ~
~
終了行:
*≪キョン×古泉 バレンタイン≫ [#r7edc7bc]
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これ以上抱えきれないかもしれないから、だから、たった一...
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俺は自惚れていたんだろうか。唐突にそう思った。 ~
朝から学校内は色に例えるならもの凄く乙女チックなピンク...
一週間以上前からデパートや駅前を賑わせていたお菓子業者...
あぁみんなこんな事に金ばっかり使って大変だな、ご苦労さ...
と、言ってやるつもりだった。 ~
それなのに朝から妙に落ち着かない俺の心臓の動悸は一体ど...
同語反復が得意でも世の中得する事なんて少なそうだな。 ~
単刀直入に言おう。 ~
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俺は古泉がチョコをくれるだろうと確信していたのだ。 ~
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笑いたければ笑うがいいさ。俺の頭の中もあの部室で過ごし...
普通に考えれば古泉は男だし、外国ならまだしも日本でのバ...
古泉の話題が出るとしたら「あぁあいつどんだけチョコ貰っ...
それがどうした事だ。俺は古泉が俺にチョコをくれるんじゃ...
頭が可笑しいのは俺の方か? いやいやでも古泉がいそいそ...
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そんなこんなで人生の中で歳の数だけ味わって来たバレンタ...
俺の頭の中を思考不能にした張本人である古泉はと言うと、...
それもその筈、古泉はドアを開けるのすら一苦労なだけの大荷...
「…ご苦労さん」 ~
四方や此処で使う事になるとは思っていなかったが取り敢え...
すると古泉は拾い上げた可愛らしい包みを両腕で抱えながら...
敢えて何も言わずに微笑んだこいつはそのまま鞄にその包み...
「普段は頂かないんですけどね…」 ~
と、許容量ギリギリの鞄を見つめて嘆息した。 ~
その言葉が何だか少しだけ言い訳じみた響きを含んでいる様...
「流石に机の上や中に名前も書かずに置いておかれたものまで...
やれやれ、と言う風に肩を竦めて見せた古泉が、何だかちょ...
「さて、今日は何をしますか?」 ~
しかし次の瞬間にはいつも通りの貼り付けた様な笑顔が古泉...
俺は何を期待してるんだ。 ~
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その日のオセロは絶不調で、何とか勝ったものの中盤までは...
あぁもう、ホントに今日の俺はどうかしてる。 ~
古泉が俺をどう認識しているかと言う問題についてはお互い...
(そうだ、俺はきっと) ~
それでも俺は古泉が俺の事を拒絶もしなければ否定もせずに...
(きっと、 ) ~
それが当たり前だと思っていて、 ~
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(俺は、自惚れていたんだろうか…) ~
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そりゃそうだ、古泉だって男なんだ。 ~
女の子からチョコを貰って「好きです」なんて言われた日に...
だから古泉の事を同情とか憐れみとかそう言う気持ちから意...
そんな曖昧な、それこそ同語反復で全てを誤魔化して互いを...
(俺は、自惚れていたんだ) ~
唐突にそう思った言葉が、確信に変わった。最悪の日だ、今...
「…どうしました?」 ~
不意に掛けられた古泉の澄んだ声が、俺の意識を一瞬だけで...
何か、言いたい言葉が喉元を掠めた。 ~
けれど俺は何も言えないまま「何でもない」なんて言葉を反...
「そろそろ帰りましょう」 ~
「荷物でも持ってやろうか」 ~
「…いえ、大丈夫ですよ。心配いりません」 ~
妙に感情の無い言葉を交わした後で、俺と古泉は帰路につい...
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「今日は星が見えませんね」 ~
帰り際、会話のない沈黙の中で、古泉がふと夜空を見上げて...
「そうだな」 ~
呟いた言葉は想像以上に空虚で、あぁ失敗したな、普段なら...
今日ほど早く帰りたいと思った事は無いかもしれない。ふた...
(だって、全部俺の自惚れかもしれないだなんて) ~
そんなの、 ~
(あまりに滑稽過ぎるじゃないか) ~
恋なんて精神病の一種だと言ったハルヒの言葉が頭の中を過...
俺は何をするでもなく、取り敢えず古泉と同じ様に夜空を見...
いつかこいつに手を引かれて侵入した閉鎖空間よりも深く、...
「…なぁ、古泉」 ~
「何ですか?」 ~
いつもの様に貼り付けた笑顔のままの古泉が首を傾げて俺を...
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俺はそのマフラーを引っ張って軽くキスをした。 ~
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「…っ、」 ~
短く息を飲む音が聞こえて、それから直ぐに唇を離す。 ~
自惚れでもいいさ、恋なんて精神病の一種なんだとしたらそ...
言葉で、態度で、それを伝えたかどうかだ。 ~
だったら俺だって伝えてやるよ、お前に。 ~
でもそんなに沢山貰ってるならこれ以上抱えきれないかもし...
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「好きだぞ、古泉」 ~
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間近で顔を見つめてそう言う。 ~
さて、その時の古泉の表情をどうやって表現したらいいんだ...
さっきまでの貼り付けた様な笑顔は一瞬の内に吹き飛んで、...
それから少しだけ目を伏せて(何だかそれは泣きそうな顔にも...
「…、よかった…」 ~
絞り出した様なか細い声が俺の耳元を掠めて、お、と思った...
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知ってる。お前が俺に抱きつく時がどんな時か。 ~
情事の時だってそうだからもう知ってるよ。自分の顔を見ら...
知ってるって言ってるのにでも抱きついてくるお前が、何だ...
それから俺はそんな古泉の背中を撫でて、ほんの少しして漸...
そして冷たい手が俺の手を(そう、あの日の様に)取って、そ...
俺はゆっくりと手のひらを見つめた。 ~
少し歪な形の、小さなチョコレート。 ~
「あの、…貴方に、渡そうと思ってたんですけど…」 ~
頭の中でバラバラになっている言葉を何とか普段通りに紡ご...
「渡して良いのか、わからなくて…」 ~
ホントに馬鹿だよ、お前。そして俺もかなりの大馬鹿野郎だ...
お前は俺が何で今日一日をイライラしながら過ごしたか何て...
今更ながら、言い訳じみた言葉を捲し立てた事や「よかった...
(あぁ、もう) ~
「貴方に嫌悪感を抱いて欲しくなかったんだと思います、僕は...
必死に言い訳を続ける古泉。 ~
(もういいって、何も言わなくて) ~
「後手に回るしか出来なくて結局何も出来なくて、だから…」 ~
地面に深く落としていた視線が、不意に上げられる。 ~
星空すら見えない黒い空の中でぽっかりと丸く地面を照らす...
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「有り難う御座います」 ~
「俺の台詞を取るな」 ~
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そう言ってもう一度、言葉を紡ぎ掛けた古泉の唇を塞ぐ。 ~
呼吸を奪う一瞬。 ~
それからまたたった一言、「ありがとう」と、囁いたんだ。 ~
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さて、それからの話を少しだけ続けよう。 ~
俺はまた顔を隠そうとして手を伸ばしてきた古泉の頬を両手...
それと同時に、両親に対する古泉の部屋に泊まるもっともら...
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ハッピーバレンタイン。 ~
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