*古キョン古 短編 [#v0747ef6] ~ 「大好きですよ」 ~ ~ もう何回言われただろうか…? ~ あまりにも真っすぐに言うもんだから、俺はいつも顔を背けてしまう。 ~ ~ ~ そりゃ俺だって嫌いなわけじゃない。 ~ だからといってそれ以外全部が「好き」ってわけでもない、わかるだろ? ~ 大体人の気持ちを、はっきり線引きするなんてできっこない。 ~ こっからが「好き」、こっからは「嫌い」——そんなに単純なものじゃない。 ~ こっからが「好き」、こっからは「嫌い」…そんなに単純なものじゃない。 ~ ~ …俺が難しく考えすぎなだけか? ~ ~ ~ 会議という名の…まぁ会議だな、会議中、何度も目が合う。 ~ なんだかこれも「日常」になりつつあるな… ~ 意識し始めたらと最後、会議の内容なんてまったく頭に入ってこなくなる。 ~ それはきっとこいつも同じなんだろう。 ~ ~ ~ 素直になるのは多分、簡単だけど ~ でもまだ…認めてやらない。 ~ ~ 目が合った時の、その嬉しいんだか困ってんだかわからないお前の顔。 ~ おそらく…俺しか知らない顔だ。 ~ ~ 多分、それを見ているのが ~ 俺は好きなんだと思う——… 俺は好きなんだと思う――…