(キョン古)古泉、お前はいい。黙ってろ

 

「これはもしかして貞操の危機ってやつですか。」
俺の下に組み敷かれた古泉がいつものニヤケ面でふざけたことをぬかすので、俺は眉根を寄せた。
余裕な表情をするな、腹が立つ。
「驚きですねぇ。てっきりあなたはノーマルな人間だと思っていましたから。」
うるさいな、俺はもともとノーマルだ。
あなたは、ってことは薄々そうじゃないかとは思っていたが、お前はやっぱりそうなのか。
「いえ、僕もノーマルですけどね、あなたが自分から踏み込むタイプだとは思わなかったものですから。
いいんですか、常に平和に安穏に、普通の枠から外れないというのがあなたの好むスタイルではなかったのですか?
僕達の関係は世間一般から見て、受け入れられるとは言い難いものですよ。」
よくしゃべるな。
古泉は普段の笑みを崩さない。
勢いで些か乱暴に押し倒してしまったためシーツの上で少し乱れた長めの髪が、扇情的だと思ってしまう。
「ここまできておいて何ですが、今ならまだ引き返せます。」
目元の笑みを僅かに解いて、双眸の瞳で俺を見上げてくる。
「それに言ったはずです。あなたは涼宮さんにとっての鍵だと。
ご存じ無いんですか?涼宮さんの気持ちは、」
うるさい、ごちゃごちゃぬかすな。
これ以上お前の理屈を聞く気はない。
本当に困るのならもっと強く拒絶の意を示せばいいだろう。
俺の手なんか払い除ければいい。
余裕な表情をするな、まるで俺だけが緊張してるみたいだろうが。
お前が本当は動揺してるとき、いつもにも増してよくしゃべるってことを俺は知ってるんだよ。
頬にかかった髪を指で擦り落としてやりながら、俺はこいつの言葉を遮った。
「古泉、お前はいい。黙ってろ。」
かけられた体重で布団が僅かに沈む。
そのまま俺は古泉の唇を塞いでやった。


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Last-modified: 2008-01-30 (水) 23:21:23