古泉が馬鹿だったら †
「キョン君キョン君、かくれんぼをしましょうよ!」「ああ、別にいいぜ…」
「やった!じゃあまずキョン君鬼で!30秒になったら目を開けていいですよー」「わかったよ…いーち、にーい、さーん」
「(こそこそ…どこに隠れよう…)」「しーぃ、ご…ろくさーんじゅっ」
「!?」「はいっ捕まえたー」「え…え…え?」「5×6=30。30秒になったぜ」「え…な、なぜどうして…?」
「とにかく今度はお前が鬼な。ちゃんと3000秒数えろよ」「さ、さんぜん?」
「そうだ3000だ。それまで決して目を開けちゃ駄目だからな」
「わ…わかりました…」
「きゅうじゅうく、ひゃーく…………も、もーいーかい…」
「駄目だ。まだ3000数えれてないだろ」
「う…でも、2桁以上は数えれる自信がありません…」
「頑張れ古泉!負けるな古泉!俺は応援してるぞ!!」
「う…貴方がそういうなら!一樹頑張ります!!ひゃくといーち、ひゃくとにーぃ」
「………ぐすっ、ひっく、ひ、ひゃくがじゅっこと、さんじゅう…あれ、いくつだったっけ…どうしようキョン君、数がわからなくなってしまいました!」
「……………」
「え…キ、キョン君…?」「………………」
「まさか…もしかして、もう……帰ってたりしますか…?」
「……………」
「うっ…ぐすっ…そうですよね、数もかぞえれない、超能力も閉鎖空間でしか使えない、マッガーレとふんもっふしか取り柄のない僕の相手なんか…
ひっくっ…したくないですよね…嫌いになっちゃいましたよね…」
「……………」
「ずっ、ごめ、ごめんなさい……生まれて来てごめんなさい…!!」
「…安心して。彼はまだここにいる」
「!?そ、その声は、長門さん?」
「彼は貴方が数を数え終わるのをずっと待っていた。だけれど貴方の声を聞いているうちにやがて子守歌代わりになり、ついに彼は眠りに落ちてしまった。それだけ」
「…!そうですか…ぐすっ、良かった!飽きられたわけじゃなかったんですね!!」
「多分そう。涙を拭いて」
「ぐすっ、はいっ!!…えっとじゃあキョン君を早く起こしてあげなくては」
「駄目」
「え」
「まだ3000数え切れていない」
「……………ひぐっ…ひゃくがじゅっことぉ!!」