古キョン古 短編 †
「大好きですよ」
もう何回言われただろうか…?
あまりにも真っすぐに言うもんだから、俺はいつも顔を背けてしまう。
そりゃ俺だって嫌いなわけじゃない。
だからといってそれ以外全部が「好き」ってわけでもない、わかるだろ?
大体人の気持ちを、はっきり線引きするなんてできっこない。
こっからが「好き」、こっからは「嫌い」…そんなに単純なものじゃない。
…俺が難しく考えすぎなだけか?
会議という名の…まぁ会議だな、会議中、何度も目が合う。
なんだかこれも「日常」になりつつあるな…
意識し始めたらと最後、会議の内容なんてまったく頭に入ってこなくなる。
それはきっとこいつも同じなんだろう。
素直になるのは多分、簡単だけど
でもまだ…認めてやらない。
目が合った時の、その嬉しいんだか困ってんだかわからないお前の顔。
おそらく…俺しか知らない顔だ。
多分、それを見ているのが
俺は好きなんだと思う――…