古キョン→キョン古へ移行の発端みたいな

 

驚きですね。あなたがそんなに動揺するなんて。
「ええ、ええ、そうです。ああ、谷口さんから聞いたのですか。はぁ、それは本当のことですが」
「いえ、北高の生徒ではありませんよ。同じ学校に通う同性に告白するなんて…僕くらいのものでしょう」
おや、赤くなった。わかりやすい人ですね、あなたは。
「別にそんなに珍しいことではないと思いますよ」
「いえ、他にもというか女子生徒からでしたら、何度かは。ご存知ですよね」
ハルヒのお守りをしてなけりゃ、お前も青春できただろうにな。
なんて嫉妬どころか背中を押すようなことを言ってくれましたよね。
すこし寂しかったんですよ。仮にも挨拶ではないキスやベッドで抱かれることを許す関係の相手から、他の女の子とどうにかなればいいだなんて類の言葉を聞かされるのは。
ああでも、そういうことなんですね。女性相手では自分に勝ち目はないが、同性ならば嫉妬する権利はあると。
まったく、あなたという人は。
「それで、僕はどうすればいいんでしょうか?お相手の方にはちゃんとお断りしましたよ」
「はい?…ええ、まあ、それは…できなくはないと思います」
「嫌というか、多少の不安はありますけれど、あなたがそうしたいと言うのなら」
ほんとうに驚きですね。まさかあなたのほうから僕を抱きたいだなんて。
「いいですよ。傷モノにしてくださっても」
いつもの笑顔で答えると自分にも当てはまる表現だと気付いたらしいあなたが、形容しがたい顔をするのがとても愉快だった。


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Last-modified: 2008-01-30 (水) 23:17:03