コピペ改変〈とりあえず谷口視点〉

 

文化祭の後くらいに「面識もできたことだし、例のいけすかない転校生にイタズラでもするか」ってことになって、古泉が体育館に1人でいた時に5人くらいで襲いかかった。
プロレスの、足を持ち上げて宙でグルグル回すあれをしようとしたんだけど、羽交い締めにしたら「やあぁぁぁぁっ!!」って、何かありえないほど怯えて古泉が悲鳴を上げて、そしたらバンッ!て感じで扉を開いて、昼休み中のキョンが飛び込んで来て、
「お、お前ら!」って、もう親友じゃなくて不審者を恫喝する時の表情だった。
「こ、この人達がっ」って、羽交い締めにされていた古泉も顔をグシャグシャにして叫んでた。
「俺だけじゃ処理できないな。ハルヒ…いや、長門を呼ぶべきなのか?」なんてブツブツ言いながら、キョンが近づいて来る。
何か勘違いされてるのでは、と激しく感じていた。
ここは毅然とした言い訳をしなければならないと思った。
そして俺はグイッと一歩前に出て、よく通る声で言った。
「俺たちはただ、古泉を回そうとしていただけだ!」


「俺達はただ、古泉を回そうとしていただけだ!」
谷口がぐいっと一歩前に出て、えらく堂々と言い放った。
アホか! 全然誤解じゃねえだろうが! 回すってお前。
青い猛りが行き先を見失って若さゆえの過ちを犯しちまう5秒前、そのまんまだ。

だがよくよく話を聞いてみれば、要するにジャイアントスイングをかけたかった、ということだった。
あー…それは古泉が悪いな、悪いだろうな。
「お前、なんちゅう誤解をするんだよ、いや俺もしたけどな。もう許してやれよ」
ドン引き状態のその他大勢の中でへたり込んでべそべそ泣いてる古泉にそう言うと、激しく首を左右に振って泣き続けた。もう泣き止みなさい、お兄さんいい加減キモいよ。
「……ひっく、誤解、なんか……してません…うえっく………ぼ、僕は…ジャイアントスイングが怖いんです…」
古泉、お前なんかキャラ変わってないか。誤解じゃなかったんなら一体ジャイアントスイングの何がそこまで怖かったと言うんだよ。
どういう状況でジャイアントスイングに深刻なトラウマを抱える事態が発生してしまうのかと問いつめたい。小一時間(ry
で、ようやく泣き止んでどうにか笑顔を復活させた古泉の言うことにゃ、そりゃまあ悲惨なお話ではあった。
「小4のころだったと思うんですが…、体育の授業の前に、僕に悪ふざけでジャイアントスイングをかけようとした…というか実際かけた子がいたんです。彼は大柄でしたし僕も小柄でしたから、実際いい獲物だったと思います。でも、彼はアホだったんですよ。僕の体重と自分の腕力を考慮するところまでは考えていましたが、遠心力の恐ろしさを知らなかった。
しかも、足首をきちんとホールドしないで僕のジャージの足首だけを掴んでた。それで僕は……」
もう展開が読めるぞ。(ノ∀`)アチャーとしか言いようのない話だな。
「……パンツ一丁で空を飛びました。飛んだ先には跳び箱がありましてね…後頭部から思いっきりそこに突っ込んで、頭を強打しただけならまだしも跳び箱が崩れまして」
「……うわ」
「…というわけで、僕はジャイアントスイングが怖いんです!本気で!」
クラスメイトにパンツ一丁を晒す+跳び箱に頭強打+崩れ落ちてきた跳び箱の下敷き。
この3連コンボは確かにいたいけな少年の心にトラウマを形成するのに充分であろう。気の毒にな。
「…え? ちょっと待てよ、ってことはお前……いっちんか?」
谷口が、得体の知れないクリーチャーを見る目で古泉を見ながら後ずさった。
「……って…マジか、お前アホ谷かよ!」
そして古泉は、谷口を指さし日頃のキャラを完全にかなぐり捨てた声と口調で叫んでいた。
「……マジか、お前あんなチビだったのに育ちすぎだろ!」
「つーかお前は高1にもなって小4の頃と思考パターンが同じなのかよ! どんだけアホだこのアホ谷が!」
えー、俺その他4名を完全に置き去りにして罵り合うこいつらの関係は一体なんなんでしょうかね?
説明しろ、どっちでもいいから!
「あ、そうでした」
古泉は自分の口元を押さえ、慌てて表情を作り直すとようやく説明を開始した。そうそう、お前はそうやってニヤケ面で解説すんのが仕事なんだよ。わかったら早く状況を分析して解説する仕事に戻るんだ。
「……ええと、このアホ…もとい谷口氏は、僕の小学校時代の同級生でして、通称アホ谷。さすがに小5のクラス替え以来なので気がつきませんでした。谷口なんてわりとありふれた名ですしね」
「…いっちんはな、チビでヒョロくて、パッとしない奴だったんだよ、確かに頭は良かったし女子に人気はあったけどな。でもこんなにメキメキ育ってるとはさすがの俺にも想像できなくてなあ」
つまり、谷口こそが古泉のトラウマ形成の元凶だったわけである。そして、6年の歳月を経て再会、お互いに気付かないまままた同じ事を繰り返しかけた、と。
さすがアホの谷口。最強だ。つーかガキのころからアホ谷呼ばわりか。年季の入ったアホもいたもんである。
「いやー、あの頃はちっちゃくてな、本ばっか読んでてさ、よくからかったっけなー」
「からかおうとして自爆もよくやってたよな、あの頃からお前はアホだったよホントに。それに俺が小さかったんじゃなくてお前がうすらでかかっただけだろ!」
「一生やってろ、アホどもが!」
なんだか子供時代のしょうもなくも微笑ましい(当事者、特に古泉にとってはあまり微笑ましいとは言い難いようだが)思い出大放出しつつやいのやいのとじゃれ合う古泉と谷口を見ていたら、あろうことか俺はどえらい疎外感を覚え、しまいにむかついてきたのであった。
自分勝手かもしれんがな、だいたい古泉が俺以外の奴と絡んでるのもおかしけりゃ、その相手が谷口だってこともおかしいし、そもそも古泉のくせになんだその口調は。
「ちょっ…、待って下さい、どうして僕までこのアホとまとめられなきゃいけないんですか!」
「おいキョン、いくらなんでもアホアホ言い過ぎだろ!」
やかましい。谷口のくせに昔の古泉知ってるとか、古泉のくせに大声出してわあわあ喚くとか、俺とか言うとか、いちいちむかつくんだよお前らは。忌々しい、ああ忌々しい!
「ははーん、キョン、さてはヤキモチか?」
誰が誰にどうヤキモチをやけっていうんだ。ただ俺はだな、それぞれ自分のキャラを考慮しろとか、俺達を置き去りにしてなごみ系の世界に突入するなとか、そういうことが言いたいんだ。
「……あの、それはやはり…」
古泉、お前はいい、黙ってろ!


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Last-modified: 2008-01-30 (水) 23:16:25