キョンと古泉 リプライ

 

「彼女」が高三の夏休みを迎えた頃、同志の一人が能力を失った。
 僕らが彼女に力を授けられて以来、初めての事だった。その報告は保守的な上層部及び彼女を「神」として信奉していた狂信派にショックを与え、革新派勢力の拡大をもたらす事になる。だが『機関』内で大勢を占める穏健派を取り込むには至らず、衝撃の強さにもかかわらずあっけなく収束していった。警戒はされたものの、始まりと同様「神の気まぐれ」と誰もが心中で考えた結果だった。
 多分その頃の僕らは何年も続いたルーティンワークのせいで、彼女とどうにかうまく付き合うコツでも得たような錯覚に陥っていたのだと思う。僕たちの立ち位置は砂上の楼閣のように脆く、双方向的なものには成り得ないとわかっていたはずだったのに。
 二人目はその一ヶ月後、三人目は更に半月後。能力者は一人また一人と徐々に減少していった。その一方で既に閉鎖空間の規模も発生頻度も相当に小さくなっており、当初懸念された戦闘力の不足をカバー出来ない程ではなかった。
 この現象を、ある者は彼女が神としての能力を失いつつあると断じ、また他の者は彼女がもう我々を必要としていないのだと安堵し、あるいは絶望した。更にはパラレル理論、または新しい神の出現を唱える者と、『機関』内部を様々な憶測が飛び交った。そのいずれにも、選ばれた者としての自負を失う恐れと、戦闘の恐怖や束縛から解放された者への羨望がないまぜになって含まれていたのだった。

 最後に閉鎖空間が発生したのは、卒業式の前日だった。僕らは相当規模の閉鎖空間を予測し、残り少なくなった兵を総動員して出動態勢を調えていた。しかし実際に発生した閉鎖空間に侵入し、僕らは目を瞠る事になる。
 そこにはもう、神人は存在しなかった。
 夜明けと共に自然発生的に灰色の空に亀裂が入り、出来損ないの閉鎖空間は消滅した。そして僕らは能力を得た時と同様に、二度とあの巨大な怪物を見る事はないだろうと直感したのだった。
 これが彼女を取り巻くあらゆる組織で生じた混迷の始まりだったが、詳細を連ねる事はしない。一点だけ確かだったのは、彼女が僕らを神人倒しの任務から解放したという事だった。

 卒業式後の彼女は、良く笑い、少しだけ泣いた。既に大学へ進学している朝比奈みくるも駆け付けており、彼女を含めた団員全員と抱擁と握手を交わし、団長殿は涙声で堂々と宣言した。
「わかってると思うけど、SOS団はいつまでも続くんだからねっ!」
 肩を抱き合う三人を微笑ましく眺めていると、隣からいつもの溜め息が聞こえてくる。その主――「彼」はそれでもなかなか楽しそうな顔をしており、珍しくも僕ににやりと笑いかけたのだった。

 彼と彼女の関係については、少し触れておく必要があるかもしれない。僕ら、いや、彼女を観測する全ての存在にとっての懸案事項だった彼は、大方の予測を裏切り彼女と良好な友人関係を築き、継続させていた。端的に言えば、男女の交際に発展させることなく盟友ポジションに落ち着いてしまったのである。微妙な互いに対する感情のベクトルを二人がどう処理したのか……僕の任務と好奇心半々の詮索は、いつも彼の不機嫌な顔にはねつけられるのだった。
 ただ、いつしか僕は『機関』としての立場を忘れ、隣に並ぶ二人の姿を見ている自分に気付いていた。それは僕が手に入れられない彼女との関係を手にした彼への羨望だったのかも知れず、また別の感情――恐らくは、僕が彼に対して望んではいけない類の――を含んでいたのかも知れない。何故なら、二人を追っていた視線は最終的に彼一人に留まる事が常だったからだ。その理由を僕は立場的にも心情的にも自分に認める事は出来なかった。
 ……結局、僕は自縄自縛に陥りそうなその点について、出来うる限り深く考える事を止めるという場当たり的な処置をとる事にしたのだった。

 僕たちが卒業し、それぞれの道を歩んで半年――つまり閉鎖空間が発生しなくなって半年後。
 能力者は僕一人になっていた。

「何故自分だったのか、と昔のあなたは時々こぼしていましたね」
 僕が最後の一人になった夜、助手席のシートに沈んだ森さんはそう呟いた。対向車のライトが信号待ちの車内を通り過ぎ、人形のような彼女の横顔が一瞬浮かび上がる。
 免許を取った僕は、その頃から森さんを乗せて運転手代わりに移動する事が多くなっていた。『機関』の人員は目に見えて減っており、動ける余裕の有る者が動くという鉄則を踏襲した結果だった。
「誰でもよかったんじゃないか、と新川にごねて困らせて」
「あの頃は……僕は本当にただの子供でしたから。お二人にもかなりご無理を言いました」
 彼女のスーツの膝の上で、今日のミーティングの資料の束がめくられている。涼宮ハルヒの観察を継続し、有事に備えるという名目の下に『機関』は存続していた。実際の活動自体は対抗組織への牽制、活動に伴って生じた利権の維持、各界との調整等々に費やされていたが、恐らく解散する事はないと思う。『機関』は一部の人間の人生を確実に侵食し、寄生していたのだ。例えば僕や、森さんのように。
「怖かったのでしょう」
「ご存じの通りです」
「しかしあなたは一度も泣かなかった」
「中学生男子にも、それなりのプライドはあるんですよ」
 ステアリングにもたれ、彼女に目を向ける。森さんは資料に視線を落としたまま、唇を緩めた。初めて会った日から彼女の周りでは時間が止まってしまったかのように、その印象は変わらない。
「むしろ泣ける程の余裕をあなたに与えなかった、と言った方が正しいのかもしれない」
「……昔話なんて、らしくありませんね」
 信号が変わり、前方の車のブレーキランプが消える。
「彼女が最後に選んだのはあなただった、と言ったら。あの頃の彼はどうするのかと、ふと思ったので」
「さあ、どうでしょうか。自分だけ最後までこんな思いをするのかと絶望して、電車にでも飛び込んでいたかもしれませんよ。興味深いタイムパラドクスの例にはなるかもしれませんが、当人としてはぞっとしませんね」
 うそぶきながらアクセルを緩く踏み込み、ウインカーを出す。森さんは僕の返答にくすくすと声を立てて笑った。
「あなたらしい。……あなたが最後のトランキライザーになるなんて、『機関』の誰も予想していなかった」
 もう起こらない発作の為の精神安定剤として。いわば保険代わりに、僕はこれから『機関』の存在意義とイコールのポジションに一人で立つ事になる。
「……もう暫く我々に付き合ってもらいます。古泉」
 森さんが呟いた言葉に、僕は精一杯の微笑みで答える。
「仰せのままに」
 多分今、一番彼が嫌がりそうな顔をしているな、と関係のない事がふと頭を過ぎった。

 進学先は別々だったが、活動は相変わらずのSOS団を中心に賑やかな季節が巡り、僕は二回生の冬休みを迎えていた。
 恒例となったクリスマスパーティーが開催され、帰宅したのは夜が明けてからだった。その日は『機関』関係でも大学関係でも予定がなく丸々オフだった僕は、シャワーも浴びずに泥のように眠った。前日まで研究室の手伝い、パーティー用の簡単な推理ゲームの準備、『機関』提出用の総括レポート等に追われ、ほとんど眠る時間を取れなかったのだ。
 再び目を覚ました時には、窓の外は再び暗くなっていた。普段と違う体勢で眠ったせいか、体が酷く怠い。
 枕元の時計で時間を確認しようとして、僕は動きを止めた。……嘘だと思うものの、直感は揺るがす事が出来ない。

 僕は能力を失っていた。

 テーブルに投げ出していた携帯を手に取る。森さんは1コールで出た。
「……そうですか」
 僕の話を聞いて、彼女は静かにそう言った。
「明日、もう一度話を聞きます。あなたの今後についてもそこで……古泉、大丈夫ですか」
「……はい」
 問われてはじめて、放心していた自分に気付いた。
「涼宮ハルヒと極めて近い場所にいるあなたを我々は手放す事は出来ない。彼女とは引き続き接触を保ってもらいます」
 これは森さんの口を介した上からの「指示」だ。反論は許されないし、そもそもあの場所から離れたくないと思っている僕自身がいる。異論はない。
「しかし『機関』に所属するかどうかは、これまでの同志と同様あなたの自由意思です。ここに残るか、協力者になるかは任せます」
 能力を失った同志たちは、皆『機関』に残るか否かを選んできた。とうとう僕の番がやってきた、という訳だ。しかし選択肢は実質無いに等しいのだろう、と僕は思っていた。力を失っても離れられなかった、森さんたちのように。
「あなたもこの時が来た後の事を考えていたと思いますが……」
 事務的な口調を通してきた森さんは、そこで一度言葉を切り、優しい声音になった。続く言葉は、思い掛けないものだった。
「少なくともあなたを知る者……私や新川や他の皆は、あなた自身の為にこれからの時間を使って欲しいと、そう願います」
 頭の中が真っ白になった。彼女が『機関』に縛られてきた自分を気遣ってそう言ってくれている、という気持ちを理解する事は出来た。だから反射的にこぼれそうになった言葉を、僕は飲み込むしかなかったのだ。
 それは『機関』は僕を捨ててもいいという事ですか、と。

 通話が終わって、どれくらい経ったのか。時間感覚はとうに麻痺していた。
 ずっと願っていた事だ。閉鎖空間の束縛からも、『機関』からも解放された普通の暮らし――それは実現不可能なものとして僕の想像の中にしか存在しなかった。例え力を失っても自分は決して『機関』からは離れられないと、僕は勝手に思い込んでいたのだ。予想外の森さんの言葉であっけなく訪れた解放は、僕に虚脱感しかもたらさなかった。
 『機関』の仮面を外した「古泉一樹」に、一体何が残る?
 自失していた僕の意識に浮かんだのは、何故か彼の顔だった。何にも属することなく、彼女とこの世界の鍵である事を受け入れた彼が、その時の僕には突如降って湧いた「自由」の象徴のような気がしたのかもしれない。あるいは、ごく自然に彼女の隣にいる事を求められた彼を、僕はやっぱり羨んでいたのだろうか。そんな理由すらなく、いつの間にか一番近い場所にいた彼の気の置けない言葉が欲しかっただけのようでもあった。
 思考がまとまらない。……ただ彼の声が聞きたかった。
 携帯のアドレスで彼の名前を表示し、暫く逡巡した。思えば僕の意思で彼と話したくて電話を掛けるのは、長い間付き合ってきてこれが初めての事だった。
 ……これは報告なのだ、と自分の行為に理由を付けて、僕は通話ボタンを押した。


XXX



 風呂から出て来ると、ベッドの上の携帯が着信音とともに震えていた。タオルを頭に被ったまま、表示されている名前を確認する。古泉、か。……嫌な予感がする。
「もしもし」
「こんばんは。今、宜しいですか」
「構わんが」
 今朝まで顔をつき合わせていたってのに、こんな時間に何の用だ? ハルヒ絡みで何かあったのか、と俺は勘ぐらざるを得ない。
 ここ最近ハルヒの周囲で起こる出来事は、高校時代に比べれば至極平和的なものばかりだった。理解しがたい現象は時折起こっていたが、俺たちは何だかんだで切り抜けてきたし、今後もそうしていくだろう。この数年はそんな確信を俺が持つには十分な時間だったらしい。だからこそ、古泉からのイレギュラーな接触には緊張する。何かが始まる合図かもしれない、と身構える。そもそもそれ以外の理由で古泉が電話を掛けてきた事もないしな。
「悪い報せか?」
「……何故、そう思われますか」
「こういう時間帯のお前からの電話で、いい話を聞かされた例がない」
 俺の言葉に、苦笑しているような声で古泉は答えた。
「疫病神扱いですね」
 仕方ないだろ。残念ながら、俺をそう仕込んだのはお前だからな、古泉。

 俺たちの進学先は皆別々だったが、週一のSOS団の活動と臨時でハルヒが掛ける招集によって、高校時代とそう変わらない日々を過ごしていた。変わったと言えば朝比奈さんが徐々に大人びた(大)の片鱗を見せてきた事と、おおっぴらに酒が飲めるようになった事くらいか。……あのお方は本当に何歳なんだろうな。多分これが俺に対する最後の禁則事項なんじゃないかと密かに予測している。
 当然のように古泉も相変わらずへらへらしてやがる。何が楽しいのか一時期俺の色恋沙汰にやたら興味を持っていたようだったが、俺が相手にしないので最近はそれ程でもなくなった。
 一方でそういうお前はどうなんだと話を振っても、古泉は曖昧にごまかすばかりだ。その理由は大体見当が付いている。俺は直接「古泉」から聞いたからな。長門が作り変えたあの世界でハルヒが好きだと言ったあいつの言葉が、数年経った今も俺の耳にこびりついて離れない。それはこの世界の古泉にとってもある意味で真実なんじゃないか? 問い質す事の出来ない問いは、あの時から俺の心の底に潜んだままだ。

「それは兎も角……」
 そこで古泉は逡巡するように一呼吸置いた。
「以前『機関』の人間の能力が消えつつある、という事はお話ししましたね」
「ああ」
 違和感を感じつつ、俺は相槌を打った。古泉以外の『機関』の能力者が消えた、と聞かされたのは去年の秋頃だったか。状況的には好転していると言いながら、古泉は相変わらず微笑みを浮かべていた。
 喜ぶべき傾向を、俺は素直に喜べなかった。ハルヒ自身にその気がなくても、無意識の選択に最後に残ったのは古泉だった。消去法ではあっても、ハルヒに選ばれた事は古泉にとって一応の意味を持ったはずだ。
 そうだ、古泉にとってハルヒは――。
「僕からも、力が消えました」
 回想を断ち切るようにさらっと聞こえた言葉が、俺の頭の中で意味を持つのには多少時間を要した。
「聞こえました?」
「……ああ」
 繰り返さずとも聞こえてるさ。ただ、その意味する所があまりに多義的で俺には古泉に返す言葉が無かった。きっと俺と古泉では、その意味の重さは全く異なっている。
「これまでの経緯を考えれば時間の問題でしたから、涼宮さんの力が消えた……一部の人間の言葉を借りれば彼女が『神』ではなくなった、とは言い切れません。他の組織もここ数時間での表立った動きは無いそうです。これで『機関』全員がお役御免になった訳ですが、もしかしたら僕たち以外の他の誰かが彼女に選ばれたのかも知れません」
 古泉はそんな話を淡々と語る。例えば昨日交わした週刊雑誌の漫画の展開がどうとかいうレベルの会話と、同じ口調だった。
「涼宮さんは、もう僕たちを必要としていない。漸く僕も肩の荷が下りました」
 俺には古泉の意図が読めなかった。多分古泉にとってはとてつもない重大事のはずなのに、古泉の声が普段と変わらない事が、俺に軽い恐怖すら呼び起こした。古泉がいかに完璧に人畜無害キャラを作っていたとしたって、こんな時まで通常営業なのはあまりに不自然だ。
「お前……」
「この四年半、あなたにも色々とご協力頂きました。こんな時間ですが今後の事も有りますし、ご報告しておいた方が宜しいかと思いまして」
 俺が言葉を挟もうとすると、古泉は少し早口になって俺に先を言わせなかった。
「当座の厄介の種が減って、あなたにとっても喜ばしい話だと思うのですが。しかしこの現象は……」
 古泉の話はやや過剰気味な熱を持っていた。
 さっきよりは若干余裕のない声。それを聞きながら、俺は漸く緊張を解くことが出来た。
 ……馬鹿が。
 心の中で罵倒するが、それよりも言ってやらなきゃならん事がありそうだ。
「古泉」
「……また動きがあればご報告します」
 誰が先に切らせるか。電話掛けてきたのはお前だろうが、古泉。俺にこんな上っ面の話を聞かせる為じゃなかったんだろう?
 勝手に一方的な会話を打ち切ろうとする古泉を、俺は咄嗟に遮った。
「待てよ」
「では」
「おい、人の話を……」
 そのまま通話が切れ、空しいツー、ツーという音に変わる。
 携帯を握ったまま、俺はベッドに仰向けに倒れ込んだ。
 緩慢に天井を眺めて、あの取り澄ました変な所で不器用な男の事を考える。
 どうしたもんかね、神様よ。お前が意図せず用意したタイミングに、俺はのっかっちまっていいのか?
 いつぞや俺が長門に出したゴーサインのように、今の俺に「やっちまえ」と言えるのは……やっぱり俺しかいない訳だ。
 もう一度携帯を顔の前に掲げて、俺はメールを打った。

 年末の冷たい風が、頬を切るように流れて行く。片手でマフラーを引き上げて口元を覆ったが、耳までは隠れなかった。白い息を吐き出して、自転車のペダルを強く踏み込む。コートを着込んだ体だけは暑く、汗ばんでいる。目的地は近い。
 家を出る前に打ったメールに、返信はなかった。予想はしていたがな。それなら俺はしたいようにするだけだ。

『一人で泣くな馬鹿
 今から行く』

 ……お節介だと笑わば笑え。
 良く見るタイプの単身者向けマンションの前で、俺は自転車のブレーキを引いた。敷地内の空いた自転車置き場に愛車を止めて、数度入ったことのあるエントランスを潜る。かじかむ手でオートロックの部屋番号を入力すると、返答はなく扉が開いた。どうやら門前払いにする気はないらしい。
 静かな機械音を立てて停止したエレベータを降りて、数メーター先のドア。その前に立ってドアホンを押す。まだ少し、息が上がっていた。
「……よう」
 開いたドアの向こうには、妙な具合に微笑んだ古泉が立っていた。片手には携帯を握っており、メールらしき画面が開いてあった。
「返信、間に合いませんでしたね」
 取り繕った声は少し震えていた。目も赤い。それでも必死に笑顔を作ろうとする古泉が俺の前にいた。
 ……折角の無駄な二枚目面が台無しじゃねえか。お前はニヤニヤ笑いながら屁理屈こねて俺たちを煙に巻いてるくらいが丁度良いんだよ。泣き方も知らんのなら、最初から素直に俺に愚痴っとけ。ガス抜きぐらいは付き合ってやるから。
 言いたい事は色々あったが、ひとまず呑み込んで古泉の頭に手を伸ばした。髪に触れると古泉は身を引こうとしたが、後頭部に手を当てて構わず引き寄せる。俺より背の高い古泉は、背を丸めるような格好になった。
 古泉は聞きたくないのかもしれない。だが多分、俺以外には今の古泉にこう言ってやれる奴はいない。

「……お疲れ」

 俺の肩口に埋めた古泉の頭が、小さく震えている。
 近所の住人が通りかからないといいな、古泉よ。扉を開けたままやっちまったのは故意ではないので俺を恨まないように。
「……反則ですよ、あなた」
 ぐずぐずになりながら言われても、痛くも痒くもないな。
 それと、暫くお前の気が済むまでこうしてやってもいいが、その後俺はお前が今思っている以上の反則技を行使するつもりだ。
 今を逃したら、きっとこの先二度とお前には伝えられないだろう。俺にもお前にもその方がいいんだろうが、俺の自己満足の為に悪いがお前には犠牲になってもらう。

 古泉の肩が揺れ、俺から離れていく気配がした。
 ……どう思ってもいい。返答はいらない。

 すまんな、古泉。――お前が、好きだ。

 古泉が顔を上げるのを待って、俺は渇いた口を開く。

 

  • うp㌧です。じんわり切な萌え。これから幸せになってくれー -- なな古? 2008-01-01 (火) 07:17:12
  • 元旦からいいもの読ませてもらったよ!じんわり切なくて萌えた。続きも書いてほしいな。 -- 2008-01-01 (火) 11:08:17
  • あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーっ!キョンかっこいい・・・古泉を幸せにしてやってくれ・・・ -- 2008-01-01 (火) 14:20:54
  • じんときました。新年から泣きそうです。ありがとうございました -- 2008-01-03 (木) 10:21:24
  • 亀でスマソ。自分の萌えツボをこんなに刺激して貰った文字書きさんは多分初めてなので、是非ありがとうを言いたくて。前作含めて凄く好きです、GJ! -- 2008-01-17 (木) 16:31:54
  • 禿萌えた…!GJすぐる! -- 2008-01-24 (木) 23:17:03
  • 素敵すぎますよ…!GJ! -- 2008-01-25 (金) 15:57:11
  • 最高です…萌え死にそうになりました… -- 2008-01-26 (土) 04:52:41
  • 萌えたーーー!! -- 2008-01-27 (日) 15:04:46
  • 涙した。ありがとう! -- 2008-09-06 (土) 18:11:45


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2008-09-06 (土) 18:11:45