古泉とキョンが入れ替わったらしい †
一体何がどうなってるんだ?
ひとつ確実に言えるのは、今俺が晒されているこの状態はとてつもなく尋常ではない、ということだ。
度重なる非現実的な事象を経験し、もうどんな事態が起きても冷静でいられる!…と信じていた俺だが、
どうやら思い過ごしだったらしい。正直かなり動揺した。というか今もまだ動揺している!どうすんだ、これ
…どーすんだよ!
つまり一体何が起こっているかを端的に説明すると、まあなんつーか…目が覚めたら、身体が古泉にな
っていました、みたいな。…。な、何を言っているかわからないと思うが、俺も自分の言っている意味がわか
らない。昨夜は普通に自分の部屋で普通に寝て、覚えていないがきっと楽し〜い夢を見たはずだ。
なのに、目が覚めたら見たことのない部屋にいた。そしてたまたま目に入った鏡を覗いたら、見慣れては
いるが自分のものではない顔があって、俺は誰だ?いや誰だかはわかっているが、認めんぞ、認めるもの
か、認めたくない!←今ここ 状態なのだ。おかげで世にも珍しい古泉の仰天面としかめっ面が見れてしま
った。別に全然全くもって嬉しくないが。
冷静に考えて、だ。
ここが古泉の部屋なのを見ると、おそらくこれは、古泉の身体に俺の精神?だけが乗り移った…のだと思わ
れる。俺の部屋だったら、自分の身体が古泉に変化するという世にも恐ろしい現象も想像したが、それはな
いみたいだ。俺の身体は無事だ。たぶん。
更に。これは本っ当ーに俺の推測にしかすぎないし、当たっていないことをひたすら祈るばかりなのだが、た
ぶん、ひょっとすると、古泉の精神は今頃俺の身体に乗り移っているのではないか…?
……。
今、背筋がゾクッとしたのは気のせいではないだろう!ありえん。そんな、古泉が俺に入っているだなんて、
ありえん。第一、気持ち悪い。字面も気持ち悪い。
俺のあの顔で?古泉が普段するような仕草や発言をされたら。本人でさえ気持ち悪いんだ、他の人間から見
たら半径ウンmは距離を置きたいうさんくささが放出されるだろう。今まで築いてきた俺の人間関係を失いかね
ん。恐ろしい。
…などと、考えているうちに頭が痛くなってきた俺は、いや、古泉と言うべきか?…は、そのままベッドに倒れ
こんだ。ズキズキとする側頭部を押さえる。ああ、どーにかならんものか。そもそもなにゆえこんな事になった
のか。いや、どうせ原因はあいつなのだが、何を思ってこんなことを願ったのか。
悶々とこの先の展開を憂えていると、ピンポーン、とチャイムが鳴った。