≪古泉→キョン こんなに近くで…イメージ≫ †
自覚なんか、しなければ良かったのに。
僕は、他の誰よりもあなたを知っている。知っていなければならない。
それが、僕の“使命”だから。そうしなければならないから。自分の意思なんて、関係ない。
それなのに、あなたは、こんな僕に優しく接してくれて。
胸が痛む。強い、強い罪悪感。自分は『古泉一樹』というひとつのキャラクターに過ぎないのに。
どんなに近くにいても、その目を見つめても、心は遥か遠くに在る。追いつけない。
こんな気持ち、伝えられる筈がない。伝える術など、元より存在しない。
笑顔という仮面で欺き、またひとつ、嘘が重なってゆく。
嗚呼、自分でも薄気味悪い。なのに、どうして。
あなたの夢を見たときは、その事実が信じられなくて。
どんなにあなたが好きなのか、思い知らされた。
もし、戻れるならば。僕とあなたが出会ったあの日に、また。
得意のポーカーフェイスも、この気持ちを伝えれば、それと共に崩れ落ちてしまうだろうから。
もう少し、あと少しだけ、笑顔でいさせて。あなたの隣にいる、『古泉一樹』のままで。
伝えることのできないこの気持ちは、青い空へと投げ捨てて。
あなたの隣で、歩いていたい。