古泉×キョン ツンデレ †
「手を触るな、気色悪い」
ハルヒが居なくなった途端手を握ってくるのは如何なものか。
バレるのが怖いのは、分かる。ハルヒが居るときだって握ってくれれば…
なんて思ってる事は死んでも秘密だ、口が裂けても言えるものか。
本当は握ってくれることに喜びを感じているのだが、素直に云えないのが俺だ。
自慢できる事じゃないが…すまん、古泉
恋人を見るような熱っぽい目でこいつを見るのは恥ずかしくて出来るわけがなく、
挑戦してみても極度の緊張で睨む形になってしまう
そうすると古泉は「残念です。」と名残惜しそうに手を離す
古泉の温度を失った俺の手は熱っぽさから平常の体温へと戻っていった
(くそっ)
極度の小心さと羞恥心。それが憎かった
素直になれなかった。
古泉の顔が寂しそうに見えるのは気のせいじゃない筈だ。
このままじゃ、いけない事ぐらい分かっているのに行動に移せない自分が憎い
「古泉」
集中して本を読んでいる長門には聞こえないぐらい小さな声で囁く
ああっ俺、頑張るんだ。ツンツンして許されるのは二次元の女ぐらいだぞっ
男なんて許される訳がないじゃないか!…心の中で深呼吸するんだ
「ほら」
手、繋ごうぜ。とそれ以上云えず、その侭古泉に向かって手を差し出す
古泉は一瞬驚いたように目を見開きこっちが恥ずかしくなるようなぐらい
満面の笑みでいっぱいにした
抱きしめたい衝動に駆られるが、此処は部室で長門も一応居るんだぞと衝動を抑える。
二人きりの時だって恥ずかしくて出来る自信は無いが。
「嬉しいです」
古泉は強く手を握りしめる。暖かかった
何か云おうと考えるのだが思いつく台詞は思うように言葉にならず
やっとの事で云えたのは
「お前のこと嫌いな訳じゃないんだからな」
すると古泉は嬉しそうに微笑んで、手を一層強く握りしめた
普段云えないけどお前のこと好きと云えないぐらい好きだったりするんだぜ
いつか云えたらいいと思うのだが、あぁ多分俺は云えないな
そんな事云える筈ないじゃないか。
けれどいつかもっとシンプルな言葉で伝える事が出来たらいいと、
それまで古泉には又嫌な思いをさせてしまうかもしれないが我慢して欲しい
待っていてくれ、古泉